9: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:37:26.83 ID:FeMEWZiB0
第八話「崩壊」
10: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:38:26.87 ID:FeMEWZiB0
朝から嫌な空だった。
今にも降り出しそうな空は、俺になにか重要なことを告げようとしている気がした。
その日、開店間際の時に、バーボンハウスに来客が来た。
ξ#゚⊿゚)ξ「店長出て来いよ」
それは、ドクオの幼馴染の少女であった。
(;'A`)「えっ、ツン?」
(;'A`)「ちょ、何やってんだよ!」
ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオ、あんた騙されてるのよ!」
(;'A`)「え?」
11: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:39:40.36 ID:FeMEWZiB0
意味がわからないが、彼女が怒っていることは把握できた。
そこへ、店長がやってきた。
(´・ω・`)「どうしたの?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あんたが店長のショボンね?」
(´・ω・`)「?そうですが……」
ξ#゚⊿゚)ξ「あんたが店長のショボンね?」
ξ#゚⊿゚)ξ「悪いけど少し調べさせてもらったわ」
ξ#゚⊿゚)ξ「元ラウンジ株式会社、開発部部長、ショボン!」
ツンが店長の過去を言うと、なぜか店長はうつむき、
俺の視線から逃れようとした。
12: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:40:31.33 ID:FeMEWZiB0
(´・ω・`)「……」
さっき来たばかりのヒートはわけがわからないといった表情でポカンとツンを見つめている。
ノハ;゚⊿゚)「ラウンジ?」
ξ#゚⊿゚)ξ「3年前潰れたシステムの総合会社よ」
ξ#゚⊿゚)ξ「原因は、シベリア金融」
ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオ、あんたの昔の勤め先ね」
(;'A`)「……」
ドクオの中で、いやな予感が広がっていった。
14: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:41:29.25 ID:FeMEWZiB0
ξ#゚⊿゚)ξ「バーボンハウスの経営はずっと前から火の車ね、
ドクオを雇う余裕なんてあるはずもない」
ツンの怒声があたりに響いた。
その音は、事務所まで届き、休憩中のギコとしぃの耳にも届いた。
二人が店舗に出てくる。
(*゚ー゚)「ん?どうしたの?」
(,,゚Д゚)「……」
ξ#゚⊿゚)ξ「この男は、ショボンは復讐のためにドクオを雇ったのよ!」
その言葉に、今まで黙って聞いていた男が吠えた。
(#,,゚Д゚)「それは違うぞゴラァ」
しかし、ツンも譲らない
ξ#゚⊿゚)ξ「何が違うって言うのよ!」
15: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:42:16.88 ID:FeMEWZiB0
(,,゚Д゚)「ショボンは、経営状態が良くない今の状況を変えるために、
良くするためにドクオを雇ったんだ」
(,,゚Д゚)「シベリア金融に務めていたドクオを」
(,,゚Д゚)「そうだよな、ショボン」
希望を込めたギコの声
しかし、返す声はない
(´ ω `)「……」
(,,゚Д゚)「ショボン?」
一瞬の沈黙の後、ショボンが重い口を開いた。
(´ ω `)「……すまない」
17: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:43:18.49 ID:FeMEWZiB0
謝罪の言葉
それは、ツンの発言を認める言葉
(,, Д )「あ?」
ショボンは言葉を続けようとする
やめろ……そんな言葉は聞きたくない
(´ ω `)「……彼女が言ったことは、全て真実だ」
(,, Д )「……見損なったぞゴラァ」
(;*゚ー゚)「ちょっと、ギコ!」
ギコが店から去っていく。
ショボンに追いかける力はない
なおもショボンの独白は続く
19: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:45:26.37 ID:FeMEWZiB0
(´ ω `)「……あの時は夕食時なのに客が全く入らなくてね」
(´ ω `)「経営のことを考えると憂鬱にだったよ」
(´ ω `)「そんな時に来たのがドクオ君だ」
(´ ω `)「見覚えはあるけど、誰かはまったくわからなかった
誰なのか無性に知りたくなってね」
ヒッという鳴き声が聞こえ、一人が店を後にする音がした。
ショボンは構わずに話を進める
(´ ω `)「だから面接をすることにしたんだ。履歴書を見るために」
(´ ω `)「運命かと思ったよ、あの日はラウンジが倒産した日なんだ」
(´ ω `)「神様が復讐しろと言ってるようだった」
20: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:46:10.38 ID:FeMEWZiB0
( A )「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとドクオ!」
また人が出て行った。
(´ ω `)「採用は迷わなかったさ」
(´ ω `)「これで復讐ができるってね」
(´ ω `)「苦しめてやろうと思った」
(´ ω `)「でもね、僕は外面がいいんだ」
(´ ω `)「僕がドクオ君をいじめることはできなかった」
(´ ω `)「そもそもどうすればいいかわからなかったからね」
また一人、誰かが店を去って行く音がする
21: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:46:50.65 ID:FeMEWZiB0
(´ ω `)「シラネーヨ君と揉めた時はチャンスだと思った」
(´ ω `)「やっと嫌な思いをさせられる。ってね」
(´ ω `)「でも、本心とは裏腹にシフトを離すと言ってしまっていた。」
(´ ω `)「ドクオ君がヒートに惹かれてることに気付いた私はシフトをばらそうとした。」
(´ ω `)「でも、ヒートはシラネーヨとシフトをずらすことを望んでいた。」
(´ ω `)「だから結局ヒートとドクオ君を離すことはできなかった」
(´ ω `)「そうこうしているうちに、ドクオ君はヒートと親交を深め、
ドクオ君は店に馴染んでいたんだ」
23: 第8話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 01:47:26.13 ID:FeMEWZiB0
(´ ω `)「私もだんだんね、ドクオ君に影響されて……」
(´ ω `)「がんばろうって思うようになってたんだ」
ショボンの目から大粒の涙がこぼれた
(´;ω;`)「だから、私はもう一度経営をがんばろうと決心した。」
(´;ω;`)「本当にすまなかった」
ショボンが長い語りを終えたころ
バーボンハウスに人影は残っていなかった。
第八話「崩壊」終