37 : ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 15:58:40.29 ID:t6CtMMqZ0


      第七話「崩壊への序章」




38 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 15:59:27.59 ID:t6CtMMqZ0
 
 あの後、シラネーヨは警察に引き取ってもらい、
 事件は幕を閉じた。
 
(´・ω・`)「そうか、シラネーヨがね……」

('A`)「なので、今日ヒートは……」

 その言葉で全てを察したのだろう
 ショボンがゆっくりとうなずいた。

(´・ω・`)「そうか、シラネーヨがね……」

 今日は二人で乗り切ることになる。
 それでも、今のドクオにはやりきる自信があった。
 

39 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:00:35.77 ID:t6CtMMqZ0
 
 11時、この日、バーボンハウスの扉は
 開店と同時に、いきなり扉が開かれた。

ノハ;;゚⊿゚)「遅れたああああああああああああああああ」

(;´・ω・`)「へ?」

(;'A`)「えぇ?ヒート?」

ノハ;;゚⊿゚)「すまん速攻で着替えてくる」

(;´・ω・`)「いや、休んでもいいんだよ?」

ノハ;;゚⊿゚)「そんなことしたら生活できないっつの!」

 その時だった。
 バーボンハウスに嵐を呼ぶ来訪者が訪れたのは

('A`)「ようこそ、バーボンハウスへ」

(´<_`;)「ん?ドクオ?」

(;'A`)「え?弟者」
 

40 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:01:37.83 ID:t6CtMMqZ0
 
 その正体は流石弟者という、ロビー銀行の男だった。
 ドクオとは大学の同期で、それぞれの銀行を引っ張っていこうと誓い合った仲だった。

(´<_`;)「ここで働きはじめたのか?」

(;'A`)「ああ、まあな」

 気まずい沈黙が流れた。

(;'A`)「とりあえず案内するよ、カウンターでいいか?」

(´<_` )「すまない、客として来たんじゃないんだ」

(;'A`)「?」

(´<_` )「ショボンさんに用がな」

(;'A`)「あ、呼んでくる」

(´<_` )「ちょっと待て、親友としてひとつ教えておいてやる」
 
42 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:02:29.12 ID:t6CtMMqZ0
 
(;'A`)「へ?」

(´<_` )「この店、危ないぞ」

(;'A`)「・・・」

(´<_` )「・・・一週間後、500万用意できないと差し押さえされることになっている」

(;'A`)「なっ・・・」

(´<_` )「おそらく、この店に500万用意できる力はない」

 その時、奥からショボンが顔を出した。
 しか疲れている表情である。

(´・ω・`)「ああ、弟者さんか。奥へどうぞ」

(´<_` )「ああ」
 

43 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:03:01.97 ID:t6CtMMqZ0
 
 弟者は事務所に入っていった。
 ドクオは話の内容が気にかかったが
 当然事務所まで行くわけにはいかなかった。

 しばらくして、話の決着がついたのか、弟者が事務所から出て来た。
 ショボンが後を追う形でそれに続き、見送りをする。

(´<_` )「……」

 ドクオは去っていく弟者の顔を見た。
 その表情は契約がうまくいかなかった時の独特の顔をしていた。

 就業時間が来て、
 ドクオがバーボンハウスから解放されると、

 ドクオは素早く着替え、急いで帰宅し、
 家の電話の前に座った。

 緊張しつつ、電話をかける。

('A`)「ブーンか、頼みがあるんだ」
 
45 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:03:51.76 ID:t6CtMMqZ0
 
( ^ω^)「なんだお?」

('A`)「お金を貸して欲しい」

 ドクオが初めて自分の意思でしようとした借金
 母親の教え込んだ束縛からの脱却

 そこまでして、母親との記憶を振り払ってでも
 ドクオはバーボンを護りたかった。

 親切にしてくれたショボンさんのため
 やりぬくと誓った親友のため

 本気で愛した女のため

 なにより、やっと居場所を見つけられた自分自身のために

( ^ω^)「……借金は絶対にしないって言ってた
      あのドクオが借金したいなんて意外だお」
 
48 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:05:48.03 ID:t6CtMMqZ0
 
(;'A`)「……だめか?」

( ^ω^)「何のためにだお?」

('A`)「バーボンハウスが潰れちまう。バーボンハウスを立て直したい」

(;^ω^)「え?悪いけどその貸せないお」

( ^ω^)「ドクオ、落ち着くお。借金を嫌ってたドクオはどこに行ったんだお?」

( ^ω^)「まず働くのは賃金を得る手段だおね?」

(;'A`)「……それは」

( ^ω^)「働いてる会社に、しかも経営危機の会社に出資なんて正気の沙汰じゃないお」

(;'A`)「気付いたんだ!仕事で得られるのはお金だけじゃないって」

(# ^ω^)「目を覚ますお!」
 

49 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:06:24.35 ID:t6CtMMqZ0
 
( A )「……」

( A )「……すまん」

(;^ω^)「ドクオ!」

(;^ω^)「……切られたお」

ξ*゚⊿゚)ξ「ん~どうしたの?」

(;^ω^)「……ドクオから電話が来たんだお」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?ドクオから?」

(;^ω^)「……お金を貸してほしいみたいだお」

ξ゚⊿゚)ξ「あいつが借金ねえ、それでどうしたの?」

(;^ω^)「……断ったお」
 
51 :第7話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/27(木) 16:06:46.60 ID:t6CtMMqZ0
 
ξ#゚⊿゚)ξ「は?何それ?あのドクオが借金を頼んでるのよ?」

(;^ω^)「聞いてくれお」

(;^ω^)「ドクオは務めてる会社のために借金をしたいと言ったんだお」

ξ#゚⊿゚)ξ「いいじゃない!それだけ大切に思える会社に出会えたんでしょ?」

(;^ω^)「確かにそうだお。でもあの店はあやしいところがあるんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「あやしいところ?」




       第七話「崩壊への序章」終
 
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