- 68: 第11話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:28:32.88 ID:S0HfALWh0
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最終話「巣立ち」
- 69: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:29:05.11 ID:S0HfALWh0
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(´・ω・`)「おはよう」
('A`)「おはようございます」
いつも通りの挨拶
そして、いつも通りギリギリで来る少女
ノハ*゚⊿゚)「おはよー」
('A`)「おう、おはよ」
(´・ω・`)「じゃあ開けるよ」
ノハ;゚⊿゚)「うわああああああああああああ、急いで着替えてくる」
いつも通りバーボンハウスは開店した。
- 74: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:30:27.86 ID:S0HfALWh0
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しかし、第一の客はなかなかこなかった。
時間は流れ、12時になった。
ランチタイムに入り、ようやく1組目のお客様が来店した。
('A`)「ようこそバーボンハウスへ」
(;'A`)「え?」
それは、ありえないはずの来客
そこには、ブーンとツンがいた
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「何見てるのよ、早く案内しなさいよ」
(;'A`)「あれ?だって協力しちゃだめだって」
ξ゚⊿゚)ξ「は?私はご飯食べに来ただけなんだけど」
( ^ω^)「おっお、ご飯をここで食べるのはシュールさんから許可を得てるお」
(´・ω・`)「ありがとうございます」
ξ#゚⊿゚)ξ「だから別にあんたたちのために来てるんじゃないわよ」
- 77: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:31:31.14 ID:S0HfALWh0
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そうこうしてる間にまた来客が来た。
次々とイスが埋まっていく。
(;'A`)「この忙しさは異常だろjk」
ドクオがバーボンハウスで勤めてから初めて、バーボンハウスの席が埋まった。
ショボンは感激したような面持ちで見ている。
ハハ ロ -ロ)ハ「すみませーん」
(;'A`)「はい、お待たせいたしました」
ドクオはこのお客様に見覚えがあった。
しかし、どこで見たか思い出せない
ハハ ロ -ロ)ハ「ブロッコリーの素揚げ追加で」
(;'A`)「かしこまりました」
しかし、その客足は一時を過ぎると急速に遠のいていった。
3日間、同じような日々が続いた。
ほとんど同じ客、同じ時間帯
そして、ドクオは気付いた。
今いる客はブーンがかき集めてくれた客だということに
- 79: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:32:06.05 ID:S0HfALWh0
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(;'A`)「俺も客集めしなきゃな」
ドクオは友人、知り合い問わず、声をかけまくった。
何人もの人に声をかけ、ようやく一人、来てくれることになった。
(;'A`)「もうすぐか」
そして、友人はやって来た。
川; д川「ここでいいのかな?」
('A`)「あ、来てくれたんですね」
川* д川「あ、合ってた」
川* д川「まじめに仕事してるみたいだね」
(;'A`)「まあ流石に……」
その日はまずまずの客入りで、夜組にバトンを渡した。
それから約一週間は混雑時は混むが、それ以外はガラガラな日が続いた。
変化が起きたのは8日目のことだった。
珍しく混雑時以外のお客様が来店した。
- 84: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:33:42.33 ID:S0HfALWh0
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('A`)「ようこそバーボンハウスへ」
(-_-) 「ロマネスク氏。ここでしょうか」
( ФωФ)「まだわからんぞ、ヒッキー氏」
それは初めて見る客だった。
その二人の会話を注意して聞いていた。
((;-_-)) 「しかし、天使タン姿が見えんぞ」
( ФωФ)「時に落ち着け、挙動不審だぞ」
どうやら二人はドクオが掲示板に投下した小説を見て集まってくれたらしい
掲示板の与える影響のでかさを、ドクオは改めて認識させられることになった。
('A`)ooO(くっ……天使は書きすぎたか)
- 86: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:34:33.78 ID:S0HfALWh0
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その後もネットでここを知ったと思われる人が何人か来てくれた。
その中には小説スレからここを知った人だけではなく
ドクオが「東京の隠れた美味しい店を晒すスレ」や「かわいい店員がいる店を晒せ」
スレなどで書いた文を見てくれた人もいたようだった。
首をひねって帰る客がいたのは頭に来たが、
それでも、店が繁盛するのはうれしかった。
('A`)「うしっ」
それからもドクオは、日中は働き、
夜は小説の投下や宣伝の書き込みをする毎日を続けていた。
彼の体には、確実に疲労がたまっていたが、
バーボンハウスのためになってると考えるだけで疲れが取れる気がした。
- 90: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:36:20.51 ID:S0HfALWh0
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バーボンハウスが再開してから、
10日間くらいすると、だんだんと常連のお客様も戻ってきてくれた。
( ^Д^) 「お、今日はやってるのか」
('A`)「久しぶりです」
( ^Д^) 「ああ、久し振りです。一時期やってなかったから心配しましたよ」
(;'A`)「すいません」
(;^Д^) 「いやいや」
('A`)「すみません、今いつもの席が空いてないんでこの席でいいですか?」
( ^Д^) 「あ、大丈夫です。」
( ^Д^) 「からあげシチューください」
- 91: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:36:45.35 ID:S0HfALWh0
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そして再開から二週間がたった。
('A`)「どうですか?なんとかなりそうですか?」
賭けがはじまってから、この話題は自然と避けられていた。
しかし、いつまでも避けていられるような状況ではない
(´・ω・`)「う~ん、正直微妙としか言えないね。この調子で伸びてくれれば」
ショボンさんは少し辛そうな顔をしていた。
('A`)「そうですか……」
(´・ω・`)「決して、望みがないわけじゃない」
そう言ってショボンは眉を少しあげた。
(´・ω・`)「最近、ある料理系の掲示板サイトでバーボンハウスの話がよく出てる」
表情にあるのは、希望
(´・ω・`)「興味を持ってきてくれたお客様を逃さなければあるいは……」
('A`)「そうですか……」
まだ希望がある
それがドクオを勇気付けた。
- 94: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:37:25.26 ID:S0HfALWh0
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しかし、その後のバーボンハウスは、なかなか売上はあがらなかった。
店員たちは、徐々に疲れをみせていた。
それでも、気持ちで繋いでいた。
バーボンハウスを護るという
共通の目的のために
そして、最終日を迎えた。
この日もブーンとツンは来てくれた。
もう、かなり厳しいことは二人もわかっている。
( ^ω^)「また来ちゃったお」
ξ゚⊿゚)ξ「今日は何食べようかなー」
お昼の時間帯になって、プギャーさんも来てくれた。
プギャーさんは事情を知ってから毎日来てくれている
( ^Д^) 「からあげシチューをください」
- 96: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:38:15.85 ID:S0HfALWh0
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そして3時ごろ、あの客が来た。
ドクオに暴言を吐いた老人。
ショボンの務めていた会社の元社長、荒巻である。
/ ,' 3「……」
その時、偶然にも店舗にはドクオしかいなかった。
('A`)「ようこそバーボンハウスへ」
ひきつりながらも声を出す。
老人はドクオを見て、言った。
/ ,' 3「……この間はすまなかったのう」
/ ,' 3「……ショボンから聞いた」
/ ,' 3「……感情的になってしまった。すまない」
(;'A`)「いえ」
すまなそうなか細い声が、逆にドクオの感情を刺激し
涙目になってしまった。
それから老人はカウンター席につくと、キッチンにいるショボンと会話をはじめた。
- 98: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:39:05.29 ID:S0HfALWh0
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時はすぎ、11時になった。
(´・ω・`)「厳しいね」
ガラガラの店内。
唯一の客であるブーンとツンは潰れて眠っている。
しかし、誰も"無理"と発言することはできないでいた。
言ったら……全てそこで終わってしまう気がして
みな、わずかな期待を胸に、通りを見つめた。
聞こえてくる喧騒
10人くらいだろうか
もし、この店に入ってくれれば、まだ可能性はあるかもしれない
- 101: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:39:36.96 ID:S0HfALWh0
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そして、扉は開かれた。
lw´‐ _- ノv「景気はどうだい」
大勢の取り巻きを引き連れ、バーボンハウスに入ってきたのは、"素直財閥" を実質的に動かし、
ドクオとの賭けにのった女、素直シュールだった。
もう、あたりに人はいない
終わった
しぃは、もう目を真っ赤にはらしている。
ショボンさんの眉がさらに下がった。
シュールは、ドクオを見つめると、言った。
- 105: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:40:43.06 ID:S0HfALWh0
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lw´‐ _- ノv「どうした?来客だぞ、接客せい」
ノハ;゚⊿゚)「へ?」
lw´‐ _- ノv「接客態度のなってない店だな、帰るぞ?」
(;;'A`)「ご案内いたします」
スカスカだった店内は一気に賑わった。
それからはお祭り騒ぎだった。
シュールは米という米を喰いまくり
取り巻き達は酒を浴びるように飲んでいた
<ヽ`∀´>「ホルホルホル」
40分くらいたったころだろうか、屋敷でシュールの隣にいた男がドクオとヒートの元にやってきた。
<ヽ`∀´>「ちょっといいニダか?」
ノハ;゚⊿゚)「へ?」
(;'A`)「どうしました?」
<ヽ`∀´>「少し話がしたいニダ」
- 107: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:41:22.81 ID:S0HfALWh0
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ノハ;゚⊿゚)「……」
(;'A`)「……」
<ヽ`∀´>「ヒート様に問うニダ」
<ヽ`∀´>「"素直財閥"から本当の意味で離れ、ここで、バーボンハウスで暮らす覚悟はあるニダ?」
ノパ⊿゚)「……ちょっと待ってくれないか?」
<ヽ;`∀´>「……待つことはできないニダ、今日が期限ニダ!」
ノパ⊿゚)「……一分でいい」
そう言ってヒートは顔をドクオに向ける。
ノパ⊿゚)「……ドクオ、これからの人生、一緒に歩んで欲しい」
('A`)「ああ」
ヒートを不安にさせないよう、即答で返した。
('A`)「俺もこれからの人生、ヒートと歩んでいきたい」
ヒートは微笑を浮かべると。ニダーに向き直った。
- 108: 最終話 ◆Zt9X/.DVfQ :2008/03/28(金) 16:41:44.61 ID:S0HfALWh0
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ノパ⊿゚)「ああ、ある」
<ヽ`∀´>「では、ドクオ様に問うニダ」
<ヽ`∀´>「たとえバーボンハウスがなくなっても、それでもヒート様と歩む覚悟はあるニダ?」
('A`)「ああ」
<ヽ`∀´>「ありがとうニダ」
二人のそばを離れたニダーの顔には、しっかりとした笑みが刻まれていた。
<ヽ`∀´>「今日は飲むニダー!!!」
こうして、今日のバーボンハウスの営業は終了した。
12時、流石弟者が店に入ってきた。
(´<_` )「ショボンさん、期限だ。500万払ってもらおうか」
最終話「巣立ち」終