('A`)ドクオは人体実験の被験者にされたようです
- 1 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 18:53:38.42
第五話「なかまごっこ」
- 6 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 18:55:11.05
――11時45分 バインウッド・マーケット――
(´・ω・`)(よし!)
黒ずんだ赤をしている、不気味なハコ。
ショボンはマーケットの屋上でそれを見つけ、思わずガッツポーズをした。
タンクの影にあったそれは、普通に探すとかなり見つけづらい。
レーダーを手に入れていたショボンだからこそ、この赤の箱を発見できたのだ。
早速中身を選ぼうと、ショボンはハコに近づいていく。
ここで誰かに見つかれば、せっかくの苦労も水の泡だ。
そう思ったショボンは、通りから見えないように、中腰の体勢で足音を消して歩いていった。
- 9 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 18:57:37.11
(´・ω・`)(……しまった)
ハコ上部に取り付けられている、液晶パネルの表示を見て、彼はようやく思い出す。
赤と銀の箱には、開封条件なるものが存在するということを。
【開封条件】:次の内一つを満たせ
◆実験開始から24時間経過している事
◆被験者5人分の指紋認証
指紋認証の方法は、飛行機内にあった銀の箱と同じらしい。
パネルの上部に、指紋認証用の小型センサが取り付けられている。
(´・ω・`)(どうする……ここで僕が取るべき最良の選択は……)
- 13 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 18:59:36.71
上の条件はどうにも出来ないが、下ならば何とかすることは出来る。
しかしその場合、この赤の箱から得られる情報、武器は共有しなければならなくなる。
自分だけのアドバンテージにはならない。
ショボンは胸ポケットから、折りたたんである地図を取りだした。
民家から調達したサインペンで、とりあえず現在位置に印をつけておく。
(´・ω・`)(……5人。あと、4人……)
ショボンは背中に背負っているリュックを足下に下ろし、ジッパーを開けた。
中から四個目の黒のハコで取得したアイテムを取り出し、目の前に掲げる。
- 14 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:01:17.14
不格好な戦車のようなフォルムの、銀色の筒。
砲台の代わりに、二枚の分厚いレンズが突き出ている。
光学電子双眼鏡。
informationアイテムの一つ。
ズーム、ナイトビジョン等の機能がついている、高性能なものだ。
(´・ω・`)(人選は大事……だな)
双眼鏡に陽光が反射しない位置に移動し、通りの先を向いてレンズを覗く。
ズーム機能を使えば、恐ろしく遠くまで、鮮明に見えることが確認出来た。
ショボンは満足そうに頷くと、双眼鏡を首にかけて、その場を後にした。
- 16 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:02:45.22
――11時57分 空母ワースト――
ウルフアイランドから、北西方向70キロ地点に、巨大な空母が海の上を漂っていた。
全長520メートル、全幅60メートル、艦載機207機、原子炉を3基、RAMを4基備えている。
それは海上を移動する要塞だった。
船員が寝泊まりする居住区以外に、船橋、機関室、戦闘情報室、格納庫、待機室などがある。
この空母のブリーフィングルームに、人体実験を監視する研究員が集められていた。
最新式のレーダー、コンピュータが所狭しと置かれていて、蜘蛛の巣のようにコードが伸びている。
研究員1「司令。被験者たちのリストが作成し終わりました」
( ФωФ)「はいはい。見せて」
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:04:27.38
後ろから近づいてきた研究員が、報告書を書き上げている最中のロマネスクに声をかける。
ロマネスクは座椅子を回転させて、体をそちらに向けると、座ったまま資料を受け取った。
その資料には被験者たちの履歴や、項目別に分かれたステータスが載っていた。
以下に被験者たちのステータスをS、A〜Fと七段階表記した表を示す。
被験者00
モララー ( ・∀・)34歳
知力:S
体力:B
戦闘能力:S
スタイル:A
残虐性:D
性格:E
職業:無職
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:05:48.57
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:06:08.98
被験者02
しぃ (*゚ー゚) 8歳
知力:E
体力:C
戦闘能力:F
スタイル:B
残虐性:F
性格:B
職業:小学生
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:06:28.86
被験者03
ショボン (´・ω・`) 40歳
知力:S
体力:D
戦闘能力:E
スタイル:C
残虐性:F
性格:E
職業:弁護士
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:06:49.21
被験者04
レモナ |゚ノ ^∀^) 22歳
知力:B
体力:S
戦闘能力:D
スタイル:A
残虐性:F
性格:S
職業:陸上選手
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:07:09.13
被験者05
ドクオ ('A`) 18歳
知力:D
体力:C
戦闘能力:D
スタイル:C
残虐性:F
性格:E
職業:高校生
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:07:29.00
被験者06
ミセリ ミセ*゚ー゚)リ 18歳
知力:E
体力:F
戦闘能力:F
スタイル:S
残虐性:F
性格:E
職業:アイドル
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:08:40.59
被験者07
ハイン 从 ゚∀从 27歳
知力:C
体力:A
戦闘能力:B
スタイル:B
残虐性:F
性格:B
職業:警官
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:09:24.71
被験者08
さだこ 川д川 20歳
知力:D
体力:E
戦闘能力:F
スタイル:C
残虐性:F
性格:D
職業:内職
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:09:50.78
被験者09
ミルナ ( ゚д゚ ) 29歳
知力:F
体力:A
戦闘能力:B
スタイル:E
残虐性:C
性格:D
職業:土方
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:10:51.36
被験者10
イーヨウ (=゚ω゚)ノ 26歳
知力:E
体力:C
戦闘能力:C
スタイル:D
残虐性:B
性格:E
職業:ラーメン屋
- 36 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:12:43.55
被験者11
デミタス (´・_ゝ・`) 39歳
知力:A
体力:D
戦闘能力:D
スタイル:C
残虐性:F
性格:B
職業:教師
- 38 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:13:37.25
被験者12
ブーン (メ`ωメ) 35歳
知力:A
体力:S
戦闘能力:S
スタイル:B
残虐性:E
性格:D
職業:傭兵
- 39 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:14:46.39
被験者13
C91-17 (〃`_>゚) 32歳
知力:S
体力:S
戦闘能力:S
スタイル:C
残虐性:S
性格:F
職業:軍人
- 42 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:17:28.65
( ФωФ)「ご苦労様。”神さま”に送るのは、こういう資料でいいんだよね」
研究員1「はい」
( ФωФ)「予め言ってくれれば、先に作っておいたんだけどな」
ロマネスクはそう言うと大きなあくびをした。
昨日から徹夜で仕事をしていたので、目の下に隈が出来ている。
( ФωФ)「一応報告しとくから、回線を繋いで」
研究員1「わかりました」
研究員は近くの空いているデスクに腰を下ろすと、手早くキーをタイプし、モニタを通信モードに切り替えた。
幾ばくかのノイズの後、通信相手は報告を待ち望んでいたかのように、興奮した声でアクセスしてきた。
相手はこの国を牛耳る大富豪、荒巻である。
- 43 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:19:34.42
荒巻『やあやあロマネスク君。さっきは素晴らしいショーをありがとう!
長丁場の実験だと聞いているが、これなら飽きずに済みそうだ!』
( ФωФ)「はあ。それはどうも。荒巻さん。
被験者たちのリストが作成出来たので、データとしてそちらに送信します」
荒巻『それは助かるよ。データが無いとどの競走馬にするか決められないからね』
荒巻の背後から、野卑な笑い声が聞こえる。
この国を根底から支配する者たちの宴が、通信の向こうでは行われているようだ。
”神さま”。
支配者、有権者、金持ち、王。
実験のスポンサーでもある彼らに、ロマネスクは立場上頭が上がらない。
- 44 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:21:55.88
荒巻『そうそう。フィレンクト君は見つかったのかい?』
( ФωФ)「いえ。現在も捜索は続けていますが、何しろ2年前ですから」
フィレンクトは、以前実験の総合責任者、現在のロマネスクの仕事をしていた者だ。
ここで少し実験のシステムに関わることを説明しよう。
この国では、政府と軍部が完全に独立していて、その二つが人体実験を取り仕切っている。
一年ごとに、政府と軍部から交互に担当者を出し、その者が総合責任者としてその年の実験を手配するのだ。
実験の責任者になった者は、元の職には戻れない。
その代わり、次の年からは実験補佐として、実験の仕事に携われることが出来る。
また再び担当者として働くことも可能である。
- 46 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:23:43.06
フィレンクトは、数年の間担当者と補佐の仕事を交互に行っていた。
しかし2年前、精神に異常をきたしてから、突然失踪してしまったのだ。
( ФωФ)「彼は精神病院の通院歴もありましたし、探せだしたとしてもまた担当者をやってくれるかどうか……」
荒巻『そうか。それは残念だ。私たちの間では、彼のファンも多いんだがな』
( ФωФ)「ご期待に添えず申し訳ありません。その代わり、今回の実験には力を入れてありますので」
荒巻『君は初めての担当だったね。期待しているよ』
( ФωФ)「ありがとうございます」
ロマネスクが言い終わる前に、通信は向こうから切られた。
目の前のモニタに、遮断状態になった電波の波形が映っている。
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/02/09(土) 19:25:49.84
( ФωФ)「ふう……のんきなもんだ」
ロマネスクは、ため息をつくと共に、部屋を見渡した。
数人の研究員がモニタとにらみ合っているが、その人数は少なく、空いているデスクが多い。
つい先ほど、世にも恐ろしいものを見てしまった事が原因で、一部の研究員が気分を悪くし、医療室へ行ったのが原因だ。
荒巻はそれを”ショー”と言ったが、常人ならば見るに堪えないものであった。
通信先で、神さまたちの笑い声が聞こえたが、彼らはあれを見ても笑っていたのだろうか。
ロマネスクは再びモニタに向かうと、もう一度だけ、ため息をついた。
- 51 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:27:39.25
――12時05分 ロデオ――
閑散とした商店街のなれの果てで、デミタスは一人の女を見つけた。
デミタスは黒の箱を探し、ここに来たのだが、女は黒の箱の前に座り込んでいたのだ。
一瞬だけ、デミタスは躊躇した。
彼はアイテムの奪い合い、闘いが起こることを既に悟っていたからだ。
しかし、だからといってずっと人を避けていては、何も始まらない。
そう思った彼は、姿を隠すことはせず、正面から堂々と歩いていった。
从 ゚∀从「!」
デミタスに気付いたその女――ハイン――は、慌てて立ち上がった。
距離が近くなると、ハインは軽く会釈し、デミタスもそれに応じた。
- 54 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:30:46.45
(´・_ゝ・`)「ハインさん、だね。私はデミタスだ」
从 ゚∀从「こ、こんにちわ」
(´・_ゝ・`)「……こんにちわ」
(´・_ゝ・`)(警戒している……というより、緊張しているな。人見知りが激しそうだ)
仕事柄、人と接触する事が多く、人間観察はもはや彼の癖だった。
デミタスはジーンズのポケットをあさり、中から地図を取りだした。
(´・_ゝ・`)「ハコの説明はもう聞いた?」
从 ゚∀从「はい。一応」
- 55 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:31:47.34
(´・_ゝ・`)「これは黒の箱の位置が書いてある地図だ。もう手に入れたかい」
从 ゚∀从「ええ、持っています」
ポケットから、折りたたまれている地図を出して、デミタスに見せる。
デミタスは軽く頷くと、ハインの後ろにある黒の箱に視線を移した。
(´・_ゝ・`)「後ろの箱はもう開けた?」
从 ゚∀从「いえ、まだです」
(´・_ゝ・`)「じゃあ開けてみようか」
从 ゚∀从「はい」
- 56 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:33:46.20
ハインが見守る中、デミタスはパネルを操作し始めた。
武器も、情報も、目を引くアイテムは無かった。
二人は相談の結果、foodsを選択することに決める。
この時点で、彼らは何となく、これから一緒に行動すると決めていた。
(´・_ゝ・`)「ちょうどお昼の時間だし、持ち歩くより今食べようか」
从 ゚∀从「ええ、お腹も空いてますしね」
ハインの声が少しだけ明るくなった。
我慢するくらいなら、さっさと自分で選んでおけば良かったのに。
デミタスはそう思ったが、口には出さなかった。
- 59 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:35:51.64
――12時46分 ガントン――
ウィロウフィールドから少し北にいったところに、ガントンという町がある。
コンビニエンスストアや、散髪屋などもあるが、店よりも民家の方がずっと多い。
木造の家が多く、ウルフアイランドでは中流階級が住んでいた町である。
火事で焼けた家や、震災に耐えられなかった一部の家を除き、住める程度に原型を保っている家々が並ぶ。
(メ`ωメ)「ドクオ。見つけたぞ」
ブーンは屋根の一部が崩れ落ちた家にいた。
風呂場で黒の箱を見つけ、居間の方にいるドクオに声をかける。
- 60 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:39:32.34
「どこっすか?」
(メ`ωメ)「風呂場だ」
廊下を走る音が近づいてくる。
間もなく開いているドアからドクオが顔を出した。
('A`)「やっと三個目っすね」
(メ`ωメ)「ああ。だが、このハコは今開けないようにしよう」
('A`)「? 何でですか?」
(メ`ωメ)「現時刻は12時47分。俺の勘じゃあと30分以内に、実験開始から6時間経つことになる。
ヒントAの解放時間だ」
- 63 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:41:17.37
informationアイテム、ヒント。
実験に関するヒントがもらえるアイテムだが、経過時間が取得条件になっていた。
('A`)「ああ……じゃあ休憩っすね」
(メ`ωメ)「時間になるまで、リビングにいよう」
ブーンはドクオの横を通り、廊下の先にあるリビングへ歩いていく。
ドクオはそれについていった。
リビングに入ると、ブーンはソファーの上に落ちていた砂を払い、その上に腰を下ろした。
ドクオは近くに転がっていた椅子を起こして、それに座る。
背負っていたリュックは、リビングの床においた。
- 64 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:42:33.35
崩れた天井から、真っ直ぐに光が差していた。
光に照らされた部分は、雨によってボロボロになっており、木造の床を腐らせていた。
(メ`ωメ)「……」
ブーンは腰に巻いている大きめのウェストポーチから、探知機を取りだした。
電源をつけ、周りに人がいるかどうか確認する。
誰もいないとわかると、電源を落とし、再びポーチにしまう。
代わりにタバコを取りだし、口にくわえて火をつけた。
(メ`ωメ)「……ドクオ」
('A`)「あ、はい」
- 66 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:44:12.21
(メ`ωメ)「お前に言っておかなくてはいけない事がある。
だがその中には、言うべきかどうか迷っている事もある」
('A`)「?」
(メ`ωメ)「それに、一度に言えばお前は混乱するだろう。だから、少しずつ話そうと思う」
('A`)「は、はい……」
('A`)(俺に言うこと……? 何だ?)
ドクオは少し考えたが、まるっきり検討が付かなかった。
困った時の癖で、首の後ろを掻く。
冷たい金属の感触で、首輪の存在を思いだした。
途端にドクオは、息苦しさを感じ始める。
試しに両手で首輪を掴み、ぐっと力を込めて両側に引っ張ってみたが、首輪はびくともしなかった。
- 67 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:45:57.08
(メ`ωメ)「……そうだな。まずはお前の事を教えて欲しい」
('A`)「え?」
首輪と格闘していたドクオは、その突然の問いに、思わず聞き返していた。
(メ`ωメ)「お前の事だ。家族構成や、職業……何でもいい」
('A`)「どうしてそんなことを……」
(メ`ωメ)「互いを知る事は、結束の強さに関わる。それと……ただの好奇心だ」
好奇心という言葉に、ドクオは違和感を覚えた。
無理に理由をこじつけたような、そんな感じがしたのだ。
しかし紫煙の向こう側で、ブーンの片目がドクオを捕らえている。
選択肢は無かった。
- 69 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:48:37.67
('A`)「えっと……家族構成は、父さんと、俺と、じいちゃんとばあちゃんで……」
(メ`ωメ)「母親はどうした」
('A`)「俺が6歳の時に、病気で死んじゃいました」
(メ`ωメ)「……病名は」
('A`)「へ?」
妙に突っ込んで聞いてくるな、とドクオは訝しんだ。
相変わらずブーンは、じっとドクオを睨んでいる。
(;'A`)「えっと……覚えてないです。聞いて無かったかも」
- 72 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:49:31.83
(メ`ωメ)「最後は看取ったのか」
(;'A`)「いや、もう死んじゃった後に、父さんから聞いた話だから……」
(メ`ωメ)「……」
ブーンの目がぎらりと光る。
タバコを踏み消し、また新しいタバコを取りだして、火をつけた。
(メ`ωメ)「そうか。もういい」
(;'A`)「? は、はい」
(メ`ωメ)「では今度は俺の番だ」
- 73 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:50:39.01
結局何を聞きたかったのか、ドクオは分からず終いだった。
しかしブーンにとっては、その答えだけで十分であったのだ。
(メ`ωメ)「さて……そうだな。俺が以前実験に参加していたことは、もう知っているな」
('A`)「はい」
(メ`ωメ)「他にもいるんだ。俺と同じように、何度も実験に参加していた奴が」
その者が誰かというのは、ドクオも大体分かっていた。
飛行機墜落の際、終始涼しい顔でいた、あの男のことだと。
(;'A`)「……モララーですか」
- 76 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:53:19.33
(メ`ωメ)「そうだ。奴と初めて会ったのは十五年前。もちろん実験でだ。
俺にとっても、奴にとっても、初めての実験だった。
それから俺たちは、毎年実験に参加していたんだ」
('A`)(……?)
ドクオはこの時、飛行機から飛び降りる直前に、ブーンが言った言葉を思いだしていた。
同じ事を言っているはずなのだが、何かが違う気がしてならなかった。
何か、おかしい。
何か、ひっかかる。
それは極めて単純な事だったのだが、ドクオにはわからなかった。
- 77 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:54:31.67
(メ`ωメ)「奴は強い。死を恐れず、殺しを厭わない。そして狡猾だ。
手を組むにしろ、闘うにしろ、奴だけは避ける必要がある」
モララーが格闘の心得を持っている事は、イーヨウが投げ飛ばされた時にドクオも知っていた。
しかしドクオは、このモララーを恐れているかのような発言によって、モララーに対しての恐怖を増大させた。
……そう、見た目で言えば、一番恐ろしいのはブーンだ。
レスラーのようなガタイの良さ、腕を覆うタトゥーに、顔の傷。
そのブーンが、モララーの強さを認めているのだから――それはつまり、そういう事なのだろう。
(メ`ωメ)「俺とお前が別行動を取る時が来るかもしれない。その時は、覚えておけ。
モララーと闘おうなんて考えるな。見つけたら逃げろ。
逃げることは臆病でも何でもない。相手がモララーなら尚更だ」
- 80 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:57:17.78
(;'A`)「……誰とも闘わずに、実験を終わらせる事は出来ないんですか」
(メ`ωメ)「それは……これからの展開次第だ」
口に咥えられたタバコが、小さく灯った。
はき出した煙が、ブーンの顔を包み込む。
(メ`ωメ)「あと、二人いる」
('A`)「二人?」
(メ`ωメ)「要注意人物だ。一人はセブンという男。誰か覚えてるか?」
('A`)「えっと……片目が塞がってる奴ですね」
- 81 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:58:33.07
(メ`ωメ)「そうだ。奴は元々、実験の管理側の人間だった。
今まで数度、奴と接触した事がある。性格は短気で凶暴。おそらく軍人でもある。
能力は未知数だが、不気味な奴だ。出来ることなら避けておきたい」
ソファーにタバコを押しつけ、足下に捨てた。
すぐさまブーンは、三本目のタバコに手を伸ばした。
革張りのオイルライターが、三度目の着火音を鳴らす。
('A`)「もう一人は誰なんですか?」
話を急かすドクオをよそに、ブーンはゆっくりと紫煙をはき出した。
タバコを持っていない手で、顔の傷をそっと撫でる。
彼が考え事をするときの癖である。
- 82 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 19:59:55.83
この時ブーンは、頭の中で情報の取捨選択をしていた。
言うべき事と”言ってはいけない事”を、整理していたのだ。
(メ`ωメ)「まだわからない」
('A`)「え?」
(メ`ωメ)「実験では必ず一人、狂う者がいるんだ。
その者は強く、こと戦闘に関して言えば、モララーとひけを取らない」
(;'A`)「? 狂う? どういう意味ですか?」
(メ`ωメ)「さあな」
ブーンはまだ半分残っているタバコを床に捨て、足で踏み消した。
ソファーにもたれかかり、崩れ落ちた天井から空を見上げる。
- 83 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:00:57.46
(メ`ωメ)「……お前かもしれない」
(;'A`)「!? それって……」
「どういう意味ですか?」ドクオは再度尋ねようとした。
しかしブーンが目を閉じて、喋らないというポーズをし始めた為、言葉に出来なくなる。
必ず一人、狂う。
ブーンが選んだ表現に、間違いは無い。
だが、正しくも無かった。
- 85 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:02:58.66
――13時43分 マルホランド――
マルホランドは、森林地帯に近く、高い丘の上にある。
石造りの家や、三階建ての家など、他の住宅街と比べると、やや個性的な家々が並んでいる。
ただ崖に面していたり、マルホランド自体が崖の上にあったりするので、散々な有様になっていた。
完全に崩壊した家は、ただのガレキの固まりになっている。
崩れ落ちた家が道路を塞いでいたり、道が無くなっていて先に進めないところもあった。
(〃`_>゚)「……」
( ・∀・)「……」
ガレキの山を背にして、セブンが立っている。
彼は先ほどから、曲がり角から現れたモララーと、じっとにらみ合っていた。
- 86 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:05:34.41
約一分間、彼らはそうやって、お互いを見合っていた。
その内モララーが、くるりと踵を返し、セブンに背を向けて歩き出す。
セブンはその後ろ姿を、見えなくなるまで見つめていた。
(〃`_>゚)「いずれ……」
それだけ呟くと、セブンは崖の前まで歩いていき、下を見下ろした。
一歩踏み出し、崖の側面に降り立つと、足を滑らせるようにして、器用に崖を降りていく。
闘う理由を見つけた時。
殺し合おう。
言葉ではない。
もっと純粋な言語を用いて、彼らはそんな会話をしていた。
- 88 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:06:57.99
――14時53分 マリーナ――
マリーナは、特徴の無い町である。
強いて言えば、島で唯一の警察署があるという程度だ。
頑丈に作られていたのか、その警察署は一部の窓が割れている程度で、他に損壊は無かった。
もちろん、中は物で散乱しているのだが――。
警察署には地下があり、パトカーを止める駐車場になっていた。
電気がつかないので、そこは昼間でも薄暗かった。
ミセ*゚−゚)リ(みっけ)
ミセリはこの駐車場に、三つ目の黒の箱を探しに来ていた。
真ん中に設置されていたハコは、暗い駐車場でもすぐに見つけることが出来た。
- 90 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:08:40.54
数台のパトカーを通り越し、ミセリはハコの前に出る。
腹は空いていなかったので、彼女はinformationを選択した。
【コンパス】 0/14
【懐中電灯】 1/14
【ヒントA】
ミセ*゚−゚)リ(ヒント? あ!)
彼女はようやく、ヒントアイテムの存在を思いだした。
実験開始から6時間以上が経過していたので、選択可能となったのだ。
ミセリはドキドキしながら、ヒントAを選択した。
ヒントアイテムは、物ではなく、パネル上で説明されるアイテムだった。
画面が切り替わり、チープなエフェクトと共に、”ヒントA”の文字が特徴的なフォントで映し出された。
- 93 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:10:29.40
数秒後、”ヒントA”がガラスが飛び散ったような消え方をする。
代わりにタイトル付きの説明が、先ほどと同じフォントでパネル上に現れた。
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<アイテムとハコの補足説明について>
やっほー(^o^)
ヒントAを選んでくれてありがとう!
そんな貴方にお得な情報を教えちゃうヨ!
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ミセ*゚ー゚)リ「……可愛い」
割と好評だった。
- 96 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:13:15.00
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まずハコから取得出来るアイテムについて。
アイテムの説明は、選択すれば見ることが出来るよね。
でもこの説明は必要最小限のものであって、肝心な部分が書いてないんだ(^_^;)
例えばinformationで取得できる電子機器。
これはいつまでバッテリが持つか、また取り扱いの説明に関しては書いてない。
実際に使ってみて、自分で試すしかないから気をつけてね(^^)/
ちなみに電池が切れた場合、アイテムの破損と同じ扱いになるのも覚えておいて!
電子機器以外にも、不親切な説明は多い。
例えばweaponで取得出来るアイテムの、銃について。
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- 98 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:14:05.89
ミセ;゚−゚)リ(銃!)
weaponで銃が取得出来る。
それは、まだピクニック気分だったミセリに、少なからず衝撃を与えた。
- 99 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:15:34.53
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銃があるなら弾がある!
弾があるなら弾切れがある!
弾切れになっても破損扱いにはなりませーん(^_-)
実は一度取得した銃を選んだ場合、銃の代わりに弾が手に入るんだ。
だから銃を取得した時は、無くさないように気をつけてね(^_^)
ちなみに銃系のアイテムは黒、赤どちらのハコもリンクしている。
黒でA銃を取得した後、赤でA銃を選択したら弾になるって事だよ(T_T)
他にも変わったアイテムがいーっぱい!
例えばweaponの爆弾関係。
一度使用しても破損扱いにならないから、普通にいくと保持数の数しか使えない。
もちろん、基本ルールに則ったリセットは出来るけどネ。
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- 101 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:17:46.74
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それとアイテムに関してもう一つ。
人間は思いこむ動物。
どうしても狭い視野でアイテムを選びがち!
アイテムの中には、保持数が多くても重要なものがあるんだ。
代表的なものは地図Lv1。
これが無いと探索も始まらない!
他に例を挙げるとすると、懐中電灯もそうだよ!
ウルフアイランドは夜中になると真っ暗になる(-_-;)ヒェー
光が無いとせっかく地図を手に入れてても、お先真っ暗だぜ!
汎用性のあるナイフも、下手に強力な武器より使えたりするんだぜ。
格闘の素人ならそれ相応の武器を使えってな(^_^)b
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- 104 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:19:18.89
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あ、そうそう!
ヒントアイテムについても触れておこうか(^_^)
このアイテムは、経過時間によって順次切り替わっていく。
ヒントBが選べる時は、もうヒントAは選べないってことだよん。
ヒントアイテムは、黒と赤全てのハコで選べる。
ただーし!
選べるようになった時から、informationで選べる他のアイテムが一つ無くなるんだ。
消滅する訳じゃないけど、選択肢から外されちゃって、選べなくなるんだよね(;_;)
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- 106 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:20:28.91
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これで全ての説明は終わりだよ〜。
ヒントアイテムは何回でも選べるから、良かったらまた選んでね(^^)
最後に、タイトルとは関係ないアドバイスをいくつか教えよう(^o^)
引き金を引くときは躊躇するな。
銃で狙うのは頭じゃなくて上半身だ。
相手の言葉は疑ってかかれ。
動くもの全てが敵と思え。
生き残って祝杯をあげようぜ(^_-)
シーユーアゲイン!
ばいばーい(^o^)ノシ
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- 108 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:23:03.46
ミセ;゚−゚)リ「……」
キャラクターつきの文章が、内容に似つかわしくなく、不快だった。
ここでミセリは初めて気がつく。
闘う為に武器があるという事。
自分は闘わなければならないという事。
殺し合いが、始まるという事を。
飛行機で飛び降りた時を上回る焦燥が、彼女の頭を痺れさせる。
だから彼女は、この地下駐車場へ人が降りてきたことに、全く気がつかなかった。
- 110 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:25:04.88
「……ミセリさんですか?」
ミセ;゚−゚)リ「ひ!」
振り返ると、入り口から差し込む逆光を浴びた、三人の人物が見えた。
ミセリは後ずさったが、背後の箱に背中がつっかえて、それ以上戻れなかった。
(´・ω・`)「……ショボンです。怖がらないで下さい。危害は一切加えません」
話しかけてきた男は、ショボンだった。
その後ろに、デミタスとハインがいるのが見えた。
ミセ;゚−゚)リ「な、何の用よ」
- 111 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:26:31.65
ミセリは、自分の声が震えているのがわかった。
この三人が敵なのか味方なのか、彼女にはもはや区別出来ない。
彼女の警戒を察し、ショボンはそれ以上近づくのをやめた。
(´・ω・`)「ヒントAを見たんですね?」
ミセ;゚−゚)リ「……」
(´・ω・`)「気持ちはわかります。
あの文は、私たちに殺し合いをしろと言っているようなものだった。
でも実際は違う。私たちは助け合わなければならない」
(´・_ゝ・`)「ああ。その通りだ」
- 113 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:28:16.73
デミタスが言葉を挟み、ハインが同意するように頷いた。
それでもミセリは、警戒を解かない。
――相手の言葉は疑ってかかれ。
――動くもの全てが敵と思え。
(´・ω・`)「おそらく研究者たちは、私たちに仲間割れを起こそうとしている。
疑心暗鬼に囚われた人間が、どういう行動を起こすか。
実験の本質は、そこにあると思うんです」
ミセ;゚−゚)リ「……?」
(´・ω・`)「本当の敵は、きっと他にいる。
なぜなら私たちは、闘う必要が無いからです」
ミセ;゚−゚)リ「どういう事よ」
- 116 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:29:56.55
(´・ω・`)「いいですか。終了条件は、危険を排除し、安全地帯に避難することです。
この条件のどこに、我々が闘う要素があるんですか?
ヒントアイテムにしても、あくまで実験に関わるヒント。
これからのヒントで、殺し合いをしろだとか、強制的な命令が出るはずがありません。
ヒントアイテムは、あくまで実験をクリアする為のアドバイスなんですから」
ミセ;゚−゚)リ「そんなことわからないじゃない!」
――相手の言葉は疑ってかかれ。
――動くもの全てが敵と思え。
ショボンは食い下がる。
(´・ω・`)「では百歩譲って、私たちが闘わなければならないとしましょう。
その時貴方は一人で闘うつもりですか?」
ミセ;゚−゚)リ「……」
- 120 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:32:32.43
(´・ω・`)「実験には、”行動可能な者が被験者の1割未満になった際、実験終了とする”。
このような規定が予め定められています。
終了条件が既定と被ってしまうことはまず無いでしょう。
このことから、全員と殺し合いをするという展開になることはありえません。
つまり、闘わなければならなくなったとしても、その際チームが組めるんですよ。
実際に私が、デミタスさんとハインさんとで、三人で行動をしているじゃありませんか」
ミセ*゚−゚)リ「……」
ショボンの言葉に、嘘やごまかしがあるとは思えなかった。
論理的な考察がある分、説得力を感じる。
ミセリは迷った。
本当は仲間を作りたかった。
もはや一人で外を歩きたくない程、彼女は恐怖していた。
ショボンは一歩だけ彼女に近づく。
少し間を空けて、彼女が考える猶予を作った後、トドメの言葉を放つ。
- 121 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:34:28.69
(´・ω・`)「……実は、赤の箱を見つけたんです。このハコ探知機によって」
ミセ;゚−゚)リ「!」
ショボンは手に持っていたハコ探知機を、目線の高さに掲げた。
ミセリの視線は、ショボンの手の動きに合わせて動いていった。
まるで手品に魅了されている客のようだ。
(´・ω・`)「黒の箱で見られる、ハコの説明で知っているでしょう。
赤と銀の箱には、開封条件がつけられている。
私が見つけた赤の箱の開封条件は二つ。
一つは、実験開始から24時間が経過している事。
もう一つは、5人分の指紋認証でした。開けるには、どちらかを満たす必要がある……」
- 123 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:35:48.57
ミセ*゚−゚)リ「数合わせになれって事?」
(´・ω・`)「まあ、そういう事です。
しかしこれは、仲間を作れと言っているようなものではありませんか?」
ミセ*゚−゚)リ「……そうね」
(´・ω・`)「いくら武器を持っていても、私たちは一般人だ。
例えば、ブーンのような者が相手では、束になっても適わないでしょう。
私たちのような者は、結束して闘う必要があるんです。
赤の箱にはレアアイテムが入っている。
実験をクリアする為の重要なアイテムが入っているかもしれない。
ハコの個数は限られています。私たちは力を合わせ、共に生き延びましょう」
ミセ*゚−゚)リ「……」
ミセ*゚ー゚)リ「わかったわ」
- 125 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:37:37.42
ミセリはスカートを翻し、彼らに近づいていった。
一番近くにいたショボンを通り過ぎ、ハインの横で立ち止まる。
すれ違った直後、ショボンが口の端だけを持ち上げて笑った事を、彼女は知らない。
(´・ω・`)「さて」
ショボンは三人の方を振り向いた。
手に持っていたハコ探知機を、リュックサックにしまい、代わりに双眼鏡を取りだした。
(´・ω・`)「あと一人、仲間が必要です。この警察署は5階建てで、結構高い。
しばらくこの警察署の屋上で、周りに誰かいないか探しましょう。
仲間にするかどうかは、ちゃんと話し合ってからにするということで」
(´・_ゝ・`)「ああ。わかった」
从
゚∀从「了解です」
- 127 : ◆CnIkSHJTGA :2008/02/09(土) 20:39:36.04
ミセ*゚ー゚)リ「はーい」
――相手の言葉は疑ってかかれ。
――動くもの全てが敵と思え。
ミセリはもう、この言葉を忘れていた。
第六話「けもの」へ続く