('A`)ドクオと忍者のようです


2 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 21:44:08.94 ID:VEjlNfhK0
第三話 〔いない、いない〕



雲とは、何故こうも掴めない物なのであろうか。
いくら望み、手を伸ばしたところで届かない。
例え掴んだとしても、指の隙間から逃げてしまい、手の中には一欠片も残らない。

ドクオにとっての友達とは、そのような存在であった。

幼い頃から追い求めていた。
だが、仲良くなろうと近付いたところで、するりするりと逃げてしまう。
それが、ドクオにとっての友達。

何故だか、友達というものには小さい頃から縁がなかった。
いつだって、ドクオは一人。

だけれども、ここ最近でやっとドクオには友達と思しき存在ができた。
十数年来の願いが叶ったのだ。

しかしながら、その存在はまたしてもドクオにとっては「雲」だった。

5 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 21:46:31.89 ID:VEjlNfhK0
(;'A`)「ショボン……君、おはよう……」

いつも自分を虐げるモララー、プギャー。
そして初めてできた「友達」、ショボン。
この三人が、自分を見て、机を見て、机に何かをして、笑っていた。

(´・ω・`)「ちょwwww本人来たwwwwきめぇwwwwwwwww」

ショボンの今までからは全く想像できない笑い声。
ドクオは、思わず耳を塞ぎたくなった。

ここ最近の思い出が。
友達だと信じていた、その思いが。
大きく崩れていく悲痛な音を、聞きたくなかった。

( ・∀・)「ははw何その顔」

( ^Д^)「記念に撮っておこうぜwww」

(´・ω・`)「うはwwwwwwwwwwプギャーwwwwwwwww鬼才すぐるwwwwwwwww」

大量に生えた草が、ショボンの悪意を感じさせる。

7 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 21:48:43.60 ID:VEjlNfhK0
(;'A`)「ちょ……え、なんで……?」

考えられない。考えた事もなかった。
だから、ドクオは目の前の現実を受け入れられずにいた。

( ^Д^)9m「ここまで綺麗に釣られてんじゃねぇよwwプギャーwww」

( ・∀・)「まさか本気でショボンが友達だとか思ってたのかい?」

(;'A`)「だって……だってあの日、ショボン君は俺の机の落書きを消し……」

そこまで言って、ドクオは気が付いた。
あの時、机の落書きは全く消えていなかった。
それどころか、増えていたはずだ。

(;'A`)「あ……」

(´・ω・`)「おまwwwwwガチで今気付いたのかよwwwwwwおせぇwwwwww
      何が(;'A`)「あ……」だよwwwwwっうぇwwwっうぇwwww
      第一お前の台詞三点リーダ(……)使い杉なんだよwwwwww根暗きんも〜☆
      本当にきめぇwwwwwここ数日間が地獄だったわwwwwwww
      キモさが移ったらどうするか悩んでたよwwwwwwwっうぇwwww
      スマブラ誘われたときは鳥肌起ったねwwwwwwキモ杉でwwwwww
      罰ゲームで「ドクオとしばらく友達」なんて過酷だろwwww常考wwwww
      うはwwwwwテラ開放感wwwwwwキモドクオ死ねwwww氏ねじゃなくて死ねwwwwww」

(;・∀・)(ここまでキャラ崩壊させたら叩かれるだろ……常考)

8 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 21:50:22.39 ID:VEjlNfhK0
( ・∀・)「まぁショボンも罰ゲームが決まった日は一日中哀しげな顔してたしね」

(;'A`)「え……あ……」

言葉が出ない。脳が考える事を止めようとする。
何も考えられない。
ドクオは、全身の力が抜けていくのを感じていた。

どうしようもない虚無感。
ドクオの視界は、教室の蛍光灯が切れているのか、やけに暗かった。

(´・ω・`)「まさか落書きしてるところを消してるなんて勘違いしてくれるなんて思わなかったわwwwww」

ショボンの声が、ドクオの耳に届く。
聞きたくない。拒んでいてもそれは無理矢理にドクオの脳を揺さぶる。

(;'A;)「あ……ぁ……」

視界がぼやけた。
自分を嘲笑する三人の影が、揺らぐ。

(;A;)「ああああぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁああぁぁああぁあああぁあぁぁあああ!!!!!!!!!!!!」

ドクオは、叫んだ。
声の限り、叫んだ。
少しでも辛さが和らぐのならばと、叫んだ。

10 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 21:52:52.41 ID:VEjlNfhK0
(;A;)「うわぁあぁああああああぁあああぁあぁあああああああぁあぁあ!!!!」

教室から飛び出し、ここまで来た道を辿る。
誰に見られようとも、なんと思われようともドクオには関係無かった。

こちらからは涙でぼやけて相手の表情は見えないし、
嫌われたくない友達は結局いなかったのだから。

(;A;)「うぅ……うっ……」

段々と速度を上げていく。
少しでも早く、学校という敷地から逃げ出したかった。
気付けば、全力に近い速度で走っていた。

走っている最中に背中から、何か声が聞こえた。
それすらも気にならない。
今は、どんな罵倒も嫌悪も関係無かった。

ただ、早く安心できる場所に戻りたい。
それだけがドクオの脳内を支配していた。

(;A;)「……」

駅に着く。
まだ登校中の学生も何人か見掛けた。
だが、ドクオにはそれを見て何かを感じるほどの余裕もなかった。

13 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 21:55:20.94 ID:VEjlNfhK0
電車がドクオを迎えに来た。
何も言わず、涙も拭わず、ドクオは乗り込む。

――昨日まではショボンと一緒に乗り込んでいた電車に。

(;A;)「……」

寂しかった。落ち着かなかった。
何気ないショボンとの会話が、ドクオの毎日を満たしていた。
それを失った事に気付いてしまった今は、心の中が空っぽだった。

(;A;)(何か……)

グシャグシャに混雑した頭と、虚無感が満たされている心。
それらを紛らわす物を、ドクオは探した。

(;A;)(そうだ……忍者……)

しばらく見ていなかった存在を思い出す。
いつも落ち込んだ自分を励ましてくれた存在、忍者。
久々だが、鮮明にその姿を覚えていた。

そしてドクオは、窓の外に脳内忍者を映し始めた。

16 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:01:59.13 ID:VEjlNfhK0


  ( ^^ω)カサカサ 「ホマー」
  ...ノノノノノノ

18 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:02:51.12 ID:VEjlNfhK0
(;A;)(……え?)

窓の外に見えたのは、忍者ではなく不可思議な生き物であった。
いつもの黒い忍び装束なんか着ていない。それどころか服すらも着ていない。
そもそも、服を着られるような構造をしていない。

顔は目こそ忍者に似ているものの、極端に鼻が端の方によっている。
激しい動きを生み出していた手足は短く、昆虫のように六本足になっていた。
しかも、ひどく動きが遅い。

(;^^ω)「ホマー……」

カサカサと音を立てながら、短い足で懸命に電車の速度に追いつこうとする。
だが、数十秒後には奇怪な生物はドクオの視界から消え去っていた。

(;A;)(もう一回……)

何かの見間違いだ。
ドクオはそう決めつけて、再び外の風景を見遣る。

( ^^ω)「ホマホマホマホマホマ」

Σ(;^^ω)「ホマッッッッ!」

外には住宅に突っ込み、またも電車に後れをとる生物の姿があった。

20 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:04:29.56 ID:VEjlNfhK0
(;'A`)(なんで忍者が出ないんだろう……?)

確かにドクオはしばらくの間、忍者を見ようとはしなかった。
しかし、それだけでこうも想像力は劣ってしまうものなのだろうか。

(;'A`)(いや、そんなはずはない……)

泣く事すらも忘れて、ドクオは考え事に没頭する。
幼少時から培われてきた妄想力。
それが、ほんの数日間で失われてしまうわけがないのだ。

だが、何度忍者を見ようとしても、出てくるのは

( ^^ω)「ホマホマ……」

良くわからない鳴き声を上げながら歩行する生物だ。

(;'A`)(あ……、もしかして……)

考えに考えた末、ドクオが一つの結論に達する。
同時に、電車が降車駅に到着した。
ドクオは一旦思考を巡らすことを中断させて、家までの道程に自転車を走らせていった。

21 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:06:38.26 ID:VEjlNfhK0
('A`)「ただいまー」

一応、玄関から声を投げ掛けてみる。
返事はない。
当たり前だ。今、ドクオの母親はパートの時間真っ最中なのだから。

家に入ってから、すぐに自分の部屋へと駆け込んだ。
ここがドクオにとって一番落ち着ける場所。安息の地。

('A`)「ふぅ……」

一息ついて、電車で出た結論を考え直してみる。
何度考えても変わらない。
ドクオは、この結論に絶対の自信を抱き始めていた。

('A`)「忍者はきっと……」

誰に言うわけでもないのに、まるで何か重大な発表会にいるかのようにタメを作る。
聞いている者に興味を持たせる話し方。
数回、軽い咳き込み。

('A`)「アー、ヴン。ゲホンゲホン」

最後に胸を張って、

('A`)「忍者は忍者の里に帰っちゃったんだよ!」

どうしようもない結論を発表。

24 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:08:42.09 ID:VEjlNfhK0
一度こうだと思い込んだ時の、ドクオの盲信は異常であった。
ショボンの時もそう。
ドクオが友達だと思い込んだからこそ、あそこまで心を許していたのだ。

結果として、裏切られるとも知らずに。

('A`)「忍者の里ってどこだろう……?」

しかし、今のドクオはそれどころではなかった。
忍者について考えるので精一杯だったのだ。

一つの事に集中すると、他の事に目がいかなくなる。
普段は欠点として扱われるような性格だが、今回は結果としてその性格に救われていた。
学校の出来事を思い出して、更に凹むようなことは無くて済んだのだから。

('A`)「んー……。忍者の里。ニンジャノサト。にんじゃのさと。ninjanosato……」

一人で呟き続ける。
そして、ドクオはその呟きの中に答えへのヒントを見つけ出した。

('A`)「ninjanosato? ……そうか」

小さく笑みを浮かべる。
少し前まで号泣していたドクオは何処に行ってしまったのだろう。

25 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:10:43.34 ID:VEjlNfhK0
('A`)「ninjanosato。そこに俺は忍者を探しに行く。つまり俺『I』がninjanosatoに入る」

('A`)「するとninjanosatoI。これだけじゃ全く意味がわからない」

('A`)「なので、並び替えてみる」

('A`)「sotInnoanija」

('A`)「これを日本語に戻すと『そちんのあにじゃ』」

('A`)「更にわかりやすく変換すると『粗チンの兄者』」

('A`)「つまり忍者に会いたいなら粗チンの兄者の元へ行けば良かったんだよ!」

('A`)「な、なんだってー!」

('A`)「……よし!」

一通りの流れを一人でこなして、小さくガッツポーズ。
どうやらこれで満足らしい。
地味な伏線も回収できて一石二鳥である。

27 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:13:00.69 ID:VEjlNfhK0
('A`)「それじゃあ明日は兄者君のとこへ学校着いたらすぐ……」

そこまで言って思い出した。
今日、学校で何があったのか。
自分が家に逃げ帰った原因が。

モララーの、蔑む視線。
プギャーの、嘲笑。
そしてショボンの、大量の草。

(;'A`)「あ……あぁ……」

鮮明にフラッシュバックした。
あの時の空気が、感情がそのまま戻ってきたかのように感じられた。
足が、震え始めた。

(;'A`)「は…はは……。明日……学校なんて……行けるはず、ないじゃん」

表情は変わらずに、声だけで無理に空笑い。
絶望を誤魔化すための行為だが、そんなもの気休めにもならなかった。
明日が来る事に、ドクオは恐怖を覚えていた。

30 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:14:47.65 ID:VEjlNfhK0
( ^^^)『ブ――――ンwwwwww』

ふと脳裏に浮かぶ、忍者の姿。
既にドクオはハッキリとした姿を思い描けなくなっている。
しかし、存在の大きさだけは忘れていなかった。

電線から、山から、家の屋根から。
何処からでもドクオに勇気を与えてくれていた。
そして、いつでも一緒にいてくれていた。

('A`)「今まで……忍者が俺を支えてくれた。なら、俺だって……」

部屋の窓から、空を望む。
ついこの間までは、あの空を忍者が飛び跳ねていた。
だが今は、忍者を描こうとしても変な生物が空から降り注ぐだけだった。

(;^^ω)「ホマ―――――!!!!」

悲鳴を上げながら、空から落ちてくる生物を無視。
ドクオは一人、決意を固めていた。

('A`)「俺が……元の忍者の姿を取り戻す……!」

拳を強く握る。
小さく震えてはいたが、それは既に怯えから来る震えではない。
とても力強い、決心の震えであった。

34 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:16:44.05 ID:VEjlNfhK0
('A`)「……」

ドクオは、定期的に揺れていた。
決意を固めた翌朝、学校へと向かう電車内。
一人での、通学。

不安はあった。
恐怖もあった。
しかしドクオは、忍者を思い家を出たのだ。

('A`)(忍者……待ってろ……!)

窓の外を見る。
前から後ろへと走っていく風景。
忍者の姿はいないが、それでもドクオの見慣れた風景である。

('A`)(またここで走ってもらうからな……!)

前日に空を覆っていた雲は、全て消えていた。
端から端まで、青一色。
見事なまでの、快晴であった。

36 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:18:29.81 ID:VEjlNfhK0
学校へと辿り着く。
教室へ一歩進むごとに、ドクオの恐怖心は確実に煽られていく。
クラスの人達に会うのが、とてつもなく怖かった。

それでも、ドクオは歩を止める事も、戻る事もしなかった。
全ては忍者のために。
また、あの走り抜ける姿を見るために。

そのためにはどうしても、『粗チンの兄者』に会って話をする必要があったのだ。

('A`)(ここで引き返したら駄目だ……)

教室の前に立つ。
扉の向こうからは、幾つかの話し声が聞こえた。
もう既に何人かは登校しているようである。

扉に手を掛ける。
小さく、手が震えていた。
呼吸を一旦、整える。

('A`)(よし……!)

そして、一気に扉を引いた。

38 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:20:50.24 ID:VEjlNfhK0
(;A;)『うわぁあぁああああああぁあああぁあぁあああああああぁあぁあ!!!!』

(;'A`)「え……?」

ドクオの耳に、最初に届いた音。
それは、昨日のドクオの泣き声である。

ドクオの目に、最初に届いた映像。
それは、昨日のドクオの泣き顔である。

( ^Д^)「見ろよこの顔wwww昨日撮っておいて良かったぜwwww」

教室のテレビの前で、プギャーが笑っている。
そのテレビに映っているのは、ドクオの顔。
そして、ビデオがテレビに繋がれていた。

( ^Д^)「お、本人登場じゃん。どうだ、キモドクオ。お前の迫真の気持ち悪い泣き顔」

プギャーが扉の場所で呆然と立ち尽くしているドクオに気付く。
その顔は、とても楽しそうであった。

(;'A`)「う……うぅ……」

昨日の記憶が蘇る。
よく見れば、テレビを取り囲む群の中にはショボンの姿も見て取れた。

どうやら、教室の外で聞こえた話し声は大概がドクオの陰口のようだ。
その証拠に、教室にいる殆どの人がテレビに釘付けだった。

40 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:23:10.44 ID:VEjlNfhK0
(;'A`)「あ……」

( ´_ゝ`)「弟者、俺もあのテレビでAV流したい。そんでそれで公開オナニーしてクラス中の女子に罵られたい」

(´<_` )「うん。わかった。わかったから早く滅べ」

ドクオの視界が、テレビの群とは離れた位置にいる兄弟を捉えた。
その内の一人が、『粗チンの兄者』
忍者への鍵を持つ(であろう)人物だ。

(;'A`)「はは……。俺の気持ち悪い泣き顔で笑ってくれたなら嬉しいな……」

( ^Д^)「おいww聞いたかよ。こいつまさかのドM発言だぜwwww」

兄弟の元へ行くためには、プギャーの絡みを通過しなければならない。
それならば、プギャーが望むような応答をドクオがすればいい。
よく考えれば、簡単な事であった。

自虐ネタがここまで功を奏すとは思ってもみなかったが。

(;'A`)「あの……」

プギャーも満足したのか、テレビの集団に加わり雑談を始めた。
その隙に、ドクオは兄弟の元へ歩み寄る。
瓜二つの双子、流石兄弟の元へ。

42 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:25:39.26 ID:VEjlNfhK0
(´<_`;)「おい、キモドクオ。なんで俺らに話しかけるんだよ」

(;'A`)「ご、ごめん……」

弟が、即座に拒絶反応を起こす。
双子の弟がこれならば、本命の兄も似たような反応だろう。
少し諦めかけつつ、ドクオは兄者へと視線を移す。

( ´_ゝ`)「まぁ弟者、落ち着け。で、何の用だ。ドクオ」

しかし、兄者は弟者とは対応が違った。
ドクオの目を正面から見つめ、真摯に対応する。

(*´_ゝ`)「あんまり見つめ合いすぎると照れちゃうから用件は早めにな☆」

(;'A`)「う、うん……」

兄者が何故頬を赤く染めるのか。
小さな疑問を感じながらもドクオは本題に入る。

(;'A`)「兄者君って……粗チンだよね」

( ´_ゝ`)「……」



(´_ゝ`)

44 : ◆qvQN8eIyTE :2008/02/11(月) 22:27:33.18 ID:VEjlNfhK0
(´<_` )「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

兄者の隣で、弟者が声にならない笑いを発している。
一方、兄者は先程とはまた違った意味でドクオを見つめていた。

(´<_` )「唐突に来て、唐突に兄者を『粗チン』と罵るなんて、なかなかキモドクオもやるなwww」

(;'A`)「あ……いや……その……」

(゚_ゝ゚)「……」

兄者が目を極限まで広げて、ドクオを見つめ続けている。
「こっち見んな」
声を高らかに、ドクオはそう言ってやりたかった。

しかし、兄者は忍者へのキーパーソンだ。
変に機嫌を損ねるわけにはいかなかった。

(゚_ゝ゚)「……」

既に手遅れかも知れないが。

(;'A`)「あばばばばばばばば」

混乱しきったドクオは、ただ奇声を発する事しかできなかった。

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