( ^ω^)ブーンが"入る"ようです
<ヽ`∀´> 「ニダニダーwww ブーン菌が移ったニダーwwwww」
ミ,,゚Д゚彡「ちょwwやめぃwwwwうはwwwうつったwwww」
('、`*川 「キャーwww」
(;^ω^)「や、やめてくれお!僕は汚くなんかないお!」
<ヽ`∀´>
「黙るニダ!ボッカガッシ!」
ミ,,゚Д゚彡「ブーン菌を絶滅させてやる!」
(;^ω^)「い、痛いお!やめてくれお!」
('、`*川 「きもーいw」
どうしてみんな、僕をいじめるんだお?
僕が、何か悪いことをしたかお?
僕が、君たちを困らせたかお?
僕は一体
何を、したんだお?
〜( ^ω^)ブーンが"入る"ようです〜
( ;ω;)「うっう……」
誰もいなくなった教室で
僕は一人泣き続ける。
( ;ω;)「おーおー……」
ニダーに殴られた横腹が、また痛みを増す。
フサギコに蹴られた足が、また痛みを増す。
誰にも助けたもらえない悲しみが増す。
( ;ω;)「……」
このまま僕は死んでしまうのだろうか。
そう思えるほど、痛みは直らなかった。
( ;ω;)「もう……疲れたお」
静かに目を閉じると、少しは痛みが和らいだ気がした。
このまま、目を閉じていたい。
動きたくない。
( ´ω`)「……」
呼吸の音が、ゆっくりになる。
やっぱり僕は、死ぬのだろう。
( ´ω`)「……」
思い残すことは、ないと思う。
母親だって、こんな馬鹿息子がいなくなってせいせいするだろう。
(
´ω`)「おやすみ、だお」
僕は、たった一人の教室で意識を失った。
──……・・・
─…・・・
……
・・
・
パシャッ!
パシャッ!
( ´ω`)「……?」
何か物音が聞こえて、僕は目を覚ます。
何だ、僕は死ねなかったのか。
( ゚∀゚)「うぇwww起きたwww居眠りブーンwww」
( ´ω`)(ジョルジュかお……)
( ゚∀゚)「何学校で寝てんだよwww」
( ´ω`)(うるさいお。お前等のせいで疲れてるんだお)
( ゚∀゚)「あるぇー?シカトォー?」
( ´ω`)(うるさいお)
( ゚∀゚)「おい、ブーンーー!」
( ´ω`)「……さぃぉ」
( ゚∀゚)「あ?何だって?聞こえねーぞ!」
( ゚ω゚)「うるさいお」
僕は、小さな部屋にいた。
そこには、転がった野球道具と、顔のない女の模型がある。
他には、小さな男の人形が落ちているくらいだろうか。
( ^ω^)「……」
最初は混乱していた僕だが、
この部屋を眺めるうちに、色々と思い出してきた。
ここは、ジョルジュの部屋だ。
それも、ただの部屋じゃなくて、ジョルジュ自身の部屋。
僕は、彼の部屋に"入った"のだ。
(;^ω^)(何でそんなこと分かるんだお?)
理由は分からない。
ただ、なんとなく。初めからそれが当然のように、僕は知っていた。
昔から、知っていたかのように。
( ^ω^)「……」
知っているのは、ここがどこかだけではない。
ここで、何が出来るのかも、僕は知っている。
( ^ω^)「……」
部屋のドアがある。
一つは、外に出れるであろうドア。
もう一つは、部屋の奥に進めるであろうドア。
( ^ω^)「……」
迷うことなく、僕は奥に進むことを決めた。
──……・・・
─…・・・
……
・・
・
( ゚∀゚)「……」
目の前に、僕が倒れこんでいた。
意識はない。
僕は、今ここにいるのだから。
( ゚∀゚)「……」
とりあえず、誰かが来たらまずい。
僕を、どこかに隠すことにしよう。
僕の体を持つと、意外にも軽かった。
( ゚∀゚)(いや、僕の筋肉が強くなってるだけかお……)
僕の体を引きずりながら、トイレへと運ぶ。
個室に座らせ、カギをしめ、自分は上から脱出する。
これで、しばらくは隠せるだろう。
( ゚∀゚)「……」
トイレにある鏡を見ると、案の定僕はジョルジュになっていた。
りりしい顔立ち、野球で鍛えた筋肉。
いつも、僕をあざ笑う顔。
( ゚∀゚)「……ぶっ殺してやりてーお」
誰に言うでもなく、ただ、呟いた。
教室に戻ると、すぐに生徒が集まってきた。
男子生徒、女子生徒。
まだ、誰も僕の異変には気付いていない。
<ヽ`∀´> 「ジョルジュ、おはよーニダww」
一番に話し掛けて来たのはコイツだった。
今なら、ケンカしてでも余裕で勝てるだろう。
( ゚∀゚)(……でも、そんなんじゃ意味がないお)
せっかく、"入る"ことが出来るのだ。
どうせなら、もっと。
もっと、苦しめて終わらせてやりたい。
( ゚∀゚)「おはよう、ニダー」
<ヽ`∀´> 「テラ真面目wwwwなんか調子狂うニダーw」
( ゚∀゚)「野球の朝練で嫌な事あってな。ちょっとテンションが低いんだお」
<ヽ`∀´> 「だお?」
( ゚∀゚)「……あー。そういや、今日ブーンみねぇな」
<ヽ`∀´> 「昨日たっぷりいじめたニダwww」
( ゚∀゚)「へぇー。どんな感じだった?」
<ヽ`∀´> 「いつもどーり、泣いて泣いてばっかりニダwwww」
違う。
僕が聞きたいのは、そんな事じゃない。
( ゚∀゚)「お前は、どんな感じだったんだ?」
<ヽ`∀´>
「どういう意味ニダ?」
もういいや。
聞くのも面倒くさい。
自分で、確かめることにしよう。
小さな部屋に僕はいた。
ここは、ニダーの部屋。
失礼ながら、勝手に"入ら"せてもらった。
( ^ω^)「やけに明るい部屋だお」
どうやら、相当楽しい学校生活なのだろう。
全く曇りが見えない。純粋に楽しんでいる。
( ^ω^)「……」
色々部屋をあさくって見ると、色々なものが見つかった。
韓国の国旗、お金、そして、輝く玉のような物体。
( ^ω^)「……」
輝く物体を手に取ると、僕には久しい感情が流れてきた。
随分と、感じたことのない、懐かしい感情。
( ^ω^)「友情なんて、糞食らえだお」
僕をいじめているくせに、他の人との友情は強いらしい。
どうやら、かなり友達を大事にしているようだ。
( ^ω^)「……お……」
強く念じると、その人の過去の事がわかるようになってきた。
流れ込むように、記憶が入ってくる。
( ^ω^)「なんだお。こいつ、僕と同じかお」
かなり昔、こいつも僕と同じ立場にいたようだ。
それも今じゃ、正反対の立場だが。
( ^ω^)「それじゃニダー。ちょっと昔に戻ってもらうお」
僕は、もう一度、輝く球体を手にした。
そしてそれを、思いっきり、地面に投げつける。
音を立てて、その球体は崩れた。
( ゚∀゚)「……っと」
ニダーの部屋から出て、ジョルジュの体に戻る。
目の前のニダーは、どこか抜けた顔で、僕を見ていた。
<ヽ`∀´> 「……」
( ゚∀゚)「……」
お互い、何も話さない。
彼の心の「大事な物」を壊したのはいいが、どうなるかは僕自身も分からない。
<ヽ`∀´> 「……」
すると、彼は何も言わずに立ち去った。
"友達"である僕に対して、何も言う事なく。
( ゚∀゚)(友情、無くしたみたいだお)
ジョルジュの顔で、僕はニヤリと唇を上げた。
ジョルジュの……いや、自分の席に戻る。
そこからニダーを観察すると、なんとも面白かった。
ミ,,゚Д゚彡「おいーっすニダー!」
<ヽ`∀´> 「……」
ミ,,゚Д゚彡「おりょ?朝からつめてーなーwwwどうしたぃ?」
<ヽ`∀´> 「……」
ミ,,゚Д゚彡「おいおい、いい加減しつけーよw」
<ヽ`∀´> 「うるさいニダ」
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
<ヽ`∀´> 「僕に関わるなと言ってるニダ」
ミ,,゚Д゚彡「おいおい……オメーも面倒くせー野郎だなぁ」
<ヽ`∀´>
「お前にあいさつするほうが面倒ニダ」
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
フサギコの手が、ニダーの首元を掴む。
普段の彼らからは考えられない、異様な光景。
<ヽ`∀´> 「離すニダ」
ミ,,゚Д゚彡「テメー……次なんか言ったらマジだかんな」
フサギコは、それだけ言ってニダーから手を離す。
荒れた様子で自分の机に鞄を置き、そのまま僕のところに来た。
ミ,,゚Д゚彡「なぁ、ニダーどうした?」
( ゚∀゚)「しらない。俺にも、あんな感じだった」
ミ,,゚Д゚彡「……お前も機嫌悪そうだな」
(;゚∀゚)「そ、そんなことないぉ…ぜ!ちょっとテンション低いだけだ」
相変わらず、人の微妙な変化に気付く。
何だかんだ言って、彼らは仲がいいのだろう。
少しだけ、うらやましくも思う。
それと同時に、憎しみも。
( ゚∀゚)(フサギコの部屋にも入るかお……)
('、`*川 「おっはよー!ジョルジュ君」
僕がフサギコの方を睨んでいると、ペニサスがやってきた。
あいかわらず、タイミングの悪い奴だと思った。
( ゚∀゚)「おはよう」
('、`*川 「なーにフサギコ睨んでんのよw」
( ゚∀゚)「なんでもねーよ」
('、`*川 「いーや、何かある!」
( ゚∀゚)「ねー」
('、`*川 「……私に隠し事は駄目だって、言ったでしょ?」
( ゚∀゚)(しらねーよ)
彼女は顔を近づけ、ボソリと小声で呟く。
('、`*川 「……今日、すごぃのしてあげるから……」
辞めてくれ。
お前みたいなビッチなんか、コッチからお断りしたい。
だが、いい事を思いついた。
( ゚∀゚)「……なぁ、お前溜まってんの?」
('、`*川 「ジョルジュ君となら……いつでも大歓迎」
( ゚∀゚)「いいよ。今日、すっげー楽しませてやるから」
そういうと、ペニサスの顔が真っ赤になった。
これがペニサスではなく、ツンだったらどれだけ良かっただろうか。
( ゚∀゚)「ほら、センセー着たし席もどれよ」
('、`*川 「うん……」
ショボン先生が、教室に入ってきた。
僕のいじめに気付きながら、一切関与しなかった先生。
僕にとって、それは加害者と何の変わりもない。
( ゚∀゚)(入るかお……?)
いや、今入るのはまずい。
自分がショボンになってしまえば、ジョルジュが抜けてしまう。
本来の彼に戻るまで、何分かかるか分からない以上下手なことは出来ない。
( ゚∀゚)(後でいっか)
とりあえず今は、ペニサスの番だ。
授業が始まった。
誰も、僕がいないことに反応しない。
彼らにとって、ブーンというのはたったそれだけの存在なのだ。
( ゚∀゚)(さーて、もうそろそろかな)
みんなが授業に集中し始めた頃。
僕は、ペニサスの方に集中し始める。
彼女に意識を向け──
──"入った"
( ^ω^)「おっおっ。女の子の部屋はいいおー」
ビッチといえど、流石は女の子だ。
まずは匂いから違う。
この匂いを常にかげるのなら、たとえビッチでも構わないかもしれない。
(;^ω^)「おっとっと……僕にはツンがいるんだお」
この姿。
本来の姿の僕の時だけ、何故か気持ちがリラックスする。
ジョルジュになっている時は──
──僕が、僕でないような。
( ^ω^)「それより、目的の物だお」
部屋には物が散乱していて、何が何だか分からない。
だが、その中でもひときわ輝いている物があった。
( ^ω^)「……これが、ジョルジュかお」
ジョルジュに対する気持ち。
光がピンクであることから、好意を抱いていることが分かる。
( ^ω^)「……あったお」
彼への気持ちにあった、「性欲」
それを、ジョルジュの中から無理矢理取り出した。
( ^ω^)「これで、ただの対象のない性欲だお」
今度はその性欲を、膨らませ始めた。
僕が念じるたびに、どんどんそれは大きくなっていく。
( ^ω^)「おっおっー。面白いおー」
部屋を覆い尽くすほどの性欲。
もう、部屋にはこれしかないといっても過言ではない。
( ^ω^)「最後に……」
最も大事な部分。
僕は、それに手を掛ける。
( ^ω^)「……自制心を、取り除くお」
──……
……
・・
・
( ゚∀゚)「──っと」
また僕は"自分"の中に帰ってきた。
そして、隣の席のペニサスの顔を覗き込む。
('、`*川 「──」
ぽーっとした感じで、まったく意識がないようだ。
口も半開きで、今にもヨダレが垂れそうになっている。
( ゚∀゚)(部屋変えすぎたからかお?)
いくら何でも、色々改造しすぎたかもしれない。
心と体が、上手くかみ合っていないのだろう。
( ゚∀゚)(ま、その内はじまるお)
彼女の、性欲発散劇が。
('、`*川 「……」
ふと、彼女の焦点がきちりと戻った。
完全に、意識が返ってきたようだ。
('、`*;川 「……」
あたりをキョロキョロと見回している。
きっと、抑えられない性欲が彼女を困らせているのだ。
( ゚∀゚)(自制心は……かすかに残っているようだお)
彼女の顔を見ていると、ふと、目が合った。
('、`*;川
「ね、ねぇジョルジュ君……授業サボらない?」
顔を真っ赤にして、小声で言う彼女。
それを聞いた僕は、それを拒否する。
( ゚∀゚)「遠慮しとくわ」
彼女が、股間の辺りをモジモジさせながら言う。
('、`*;川 「何かすっごい来ちゃってさ……。お願い?」
普段の僕なら、こんな誘惑にすぐに乗ってしまうだろう。
だけど、今の僕はジョルジュ。
僕であり、僕でない。ジョルジュであり、ジョルジュでない存在。
( ゚∀゚)「そんなにしたいなら、ここでヤッちまえよ」
('、`*;川 「え──?」
僕は、彼女の僅かな自制心に追い討ちを掛ける。
( ゚∀゚)「オナニー。みんなの前でしたら気持ちいいんじゃね?」
('、`*川 「みんなの……前で……?」
まだ粘るか、自制心よ。
いくらビッチといえど、流石に簡単には崩れないようだ。
( ゚∀゚)「そう。全て解放してさ……快感に溺れるんだ」
自分でも驚くほど口が回った。
やはりここらへんは、ジョルジュが混ざっているのだろう。
( ゚∀゚)「お前は、淫乱なんだしよ」
その言葉で、完璧にペニサスは崩れた。
彼女の溢れるほどの性欲が、完全に解放される。
('、`*川
「……ん……」
授業中にも関わらず、彼女は自分のスカートに手を忍ばせた。
ここからでは見えないが、恐らく、手淫。
('、`*川 「んはぁ……」
今度は、声を我慢すらしていない。
完全に、自制心がない状態だ。
( ゚∀゚)(エロいおー)
ただ僕は、そんな事を考えるばかり。
('、`*川 「んくぅ……気持ちいい……」
彼女の喘ぎ声は、もう教室中に聞こえるほど大きくなっていた。
もちろん、クラスのほとんどが気付いているだろう。
('、`*川 「みんなぁ……見てぇ」
ペニサスが、机の上に座り込む。
大きく股をM字に開き、それをみんなに向ける。
('、`*川 「ここが気持ちいーの……」
パンツをめくり、そこから彼女の性器がうっすら見える。
クラスの誰もが言葉を失い、そして見とれている。
それは先生とて例外でなかった。
言葉を失っているのか、見とれているのか。
どちらにせよ、注意する気は無く、ペニサスを見ていた。
( ゚∀゚)(そんなに楽しみたいなら、参加させてあげるお)
僕は、ショボン先生に集中する。
意識を彼に向け──
──"入る"
小奇麗な部屋だった。
流石はオトナ、と言った所だろうか。
( ^ω^)「……部屋を散策するのも、めんどくせーお」
そんなことより、面白いことをしよう。
彼にも、このゲームへ参加させるのだ。
( ^ω^)「……同じようにしてあげるお」
僕は、彼の部屋を、改造する──。
──……・・・
─……
…・・
・・
・
( ゚∀゚)(さーて、反応はどうだお?)
自分の体に戻ったところで、ショボン先生を見た。
しばらく無意識の状態が続いた後、彼は動き出す。
"性欲"という名の自我によって。
(´・ω・`) 「ペニサスさん、いけないなぁ」
('、`*川 「せんせ……」
(´・ω・`) 「セックスは、男と女がするもんだろ」
ショボンがズボンを下ろす。
言葉を失っていた生徒が、悲鳴を上げる。
面白い、面白い。
今、このクラスを操っているのは、僕だ。
(´・ω・`)
「おら、入れてやるよ」
('、`*川 「早くぅ……」
川 ゚ -゚)「……これは不味い」
クラス委員のクーさんが立ち上がった。
この人も同じ……。僕のいじめに、関与しなかった人。
彼女は、他の先生を呼ぶつもりだろう。
教室のドアに向かい、外に出ようとしていた。
( ゚∀゚)「やーだーなー。クーさん。もうちょっと楽しむお?」
川 ゚
-゚)「ジョルジュ……?」
( ゚∀゚)「僕だお」
川 ゚ -゚)「……ないt( ゚∀゚)「お邪魔します」
───……・・・
─……・・・
……
・・
・
( ^ω^)「おー!流石クーさんの部屋だお!」
かなり整理された部屋だった。
きちんと、引き出しまで用意されている。
( ^ω^)「かなり几帳面みたいだおw」
引き出しを開けてみると、それは個人によって仕分けされた感情のようだった。
親、兄弟、クラスメイト、友達──
( ^ω^)「僕の引き出しはどこだおー?」
これだけ数があるなら、僕の引き出しもあるのだろう。
感覚を頼りに探してみると、なんとなく感じる引き出しがあった。
恐らく、ここが僕の引き出し。
( ^ω^)「どんな感情だおー?」
引き出しを開け、中を見る。
出てきた感情を手に取り、それを感じ取ってみた。
( ^ω^)「……」
何だ、この感情。
よく分からない物だが……?
──悲しみと、怒り?
( ^ω^)「……なんで悲しみと憎しみだお」
意味が分からない。
僕に同情していたとでも言うのか?
なら、何故助けなかった。
彼女は、僕へのいじめを知っていたハズだ。
それなのに、いじめを止めようとはしなかった。
助けてくれなかった。
( ^ω^)「……ちょっと、過去にお邪魔するお」
何人も部屋に入ったおかげで、大分この部屋の操作に慣れてきた。
人の過去に、"なりすます"こともできるらしい。
( ^ω^)「……」
彼女の過去に。
彼女が、僕のいじめを知ったときの気持ちに。
僕は、なりすます。
───………・・・
──……・・
─……
…・・
・・
・
・
・・
…・・
─……
──……・・
───………・・
(;^ω^)「馬鹿にするんじゃないお!!!」
彼女の記憶から帰ってきた僕は、とっさにそう叫んだ。
ふざけるんじゃない。
僕の気持ちなんか、彼女に理解されるハズが無かった。
(;^ω^)「やり返せるなら……とっくにやり返しているお!!」
それが出来ないから、どれだけ悩んだか。
この万能の女に分かるはずが無い。
(;^ω^)「僕は……必死だったんだお……」
誰かが助けてくれるまで。
ずっと耐えていた。
いつかは、救われるんだと。
でも……。
( ^ω^)「……僕は、救われたんだお」
我慢し続けたおけげで、僕はこの力を手に入れた。
救われたのだ。
( ^ω^)「ふん……この糞女にも、抵抗できない悔しさを味合わせてやるお」
もうそろそろ、ジョルジュの体にも飽きたところだ。
ちょうどいい機会であると考えた僕は、
この部屋の奥へ、更に足を進めていった──。
川 ゚ -゚)「……」
目の前で、ジョルジュが倒れこんでいた。
いいさ、どうせ教室は混乱状態。
後数分もすれば、"元の"意識も戻るだろう。
(´・ω・`) 「ほらっ!ここがっ!いいんだろうっ!?」
(///*川
「んぁっ!ふぁぁ……そっこです……ッッ!」
ショボンが、相変わらず腰を振り続けていた。
馬鹿らしい。
女となった今の僕に、あまり性欲はないようだ。
川 ゚ -゚)「馬鹿馬鹿しい」
混乱した生徒が、教室から出ようとしていた。
僕はそれを、とりあえず止める。
これ以上騒ぎが広がったら、色々と面倒くさそうだ。
(´<_`;)「クーさんッ!早く先生を呼ばなければ……」
川 ゚
-゚)「安心しろ。ぼ……私が何とかする」
(*´_ゝ`)「そうだぞ弟者!ペニサスたんのエッチシーンを目に焼き付けるんだ!」
色々変態がいるようだ。
もし、僕が普通どおりの生活をしていたら、そこそこ話が噛み合ったかもしれない。
そう考えると、少しだけブーンを懐かしく思った。
川;゚ -゚)(ん……僕がブーンだお?)
他人の体を使いすぎたせいか、頭が混乱してきた。
僕はブーンであり、クーである。
それを、もう一度確認する。
川 ゚ -゚)(よし……そろそろ動くか)
僕は教壇の上に立ち、大きな声を出す。
川 ゚
-゚)「えー。みなさん静かにしてくださいー」
そこで、混乱していた生徒がこちらを向く。
取り残されたのは、腰を振るショボンと喘ぐペニサスだけ。
川 ゚
-゚)「キモショボンと、ビッチペニサスがセックスをしていますが、気にしないようにするおー」
みんなが、僕の話を聞く。
今まで僕に振り向きもしなかった人々が、僕を見る。
川 ゚ -゚)「二人は性欲に溺れてしまったんだおwwww」
笑顔を作ろうとしたが、いかんせん顔が動かない。
どうやら、クーはあまりに無表情すぎて顔が固まってしまっているようだ。
ミ,,゚Д゚彡「おいおい……どうしちまったんだよみんな!」
フサギコが叫ぶ。
ほんとうに、面倒くさい奴だ。
ミ,,゚Д゚彡「ニダーも朝からおかしい……ジョルジュも、意識がねぇ!!
先生もペニサスも、クーだっておかしいぞ!!」
川 ゚ -゚)「そうだなぁ」
ここでは何というのがベストなのだろうか。
考えた結果、私はこう答えることにした。
川 ゚ -゚)「今からお前も、おかしくしてやるお」
僕は、彼の部屋に入った。
ジョルジュやニダーと同じ、少し汚れた部屋。
だが、よく見ると部屋は斜めに傾いている。
恐らく、彼の「混乱」を現しているのだろう。
川 ゚
-゚)「さーて、どうやって壊すかおー」
性欲に溺れさせようか。
だが、それももう面倒くさい。
川 ゚ -゚)「……んー」
部屋を見回すが、面白そうな物は何もない。
それならば……
川 ゚ -゚)「逆転の発想、だお」
僕は、彼の部屋に入った。
ジョルジュやニダーと同じ、少し汚れた部屋。
だが、よく見ると部屋は斜めに傾いている。
恐らく、彼の「混乱」を現しているのだろう。
( ^ω^)「さーて、どうやって壊すかおー」
性欲に溺れさせようか。
だが、それももう面倒くさい。
( ^ω^)「……んー」
部屋を見回すが、面白そうな物は何もない。
それならば……
( ^ω^)「逆転の発想、だお」
彼の部屋から出て、クーの体に戻る。
彼には、ちょっとした細工をした。
(*゚ー゚)「ねぇ、フサギコ君?」
フサギコの彼女、しぃ。
童顔で、胸も大きい。
ツンの次に恋愛感情を抱いていたのが、彼女だった。
(*゚ー゚)「フサギコ君!どうしたの!?」
ミ,,゚Д゚彡「んばぁ?」
(;*゚ー゚)「ふ、フサギコ君?ふざけないでよ!!」
ミ,,゚Д゚彡「うぉーうぉー」
彼の部屋から、全て消し去った。
転がっていた道具や感情を、一気に取り除いた。
彼は今、何も知らない。
何も感じたことの無い赤ん坊だ。
ミ,,゚Д゚彡「んばぁーる!」
(#*゚ー゚)「クー!あなたフサギコ君に何したの!?」
しぃが僕を睨みつける。
中々勘のいい女のようだ。
他の生徒は、既に、教室から出て行っている。
川 ゚
-゚)「ちょっと部屋の片付けを。
と言っても、全て捨てただけだお」
(#*゚ー゚)「はぁ?何?早く戻してよ!!」
川 ゚ -゚)「んー。捨てたからもう元に戻んないおww
それより、しぃちゃんそんな怖い顔辞めるお?しわ増えるおw」
(#*゚ー゚)「何よ!もう……意味が分からない!」
川 ゚ -゚)「……あんまりうるさいと、君にもお邪魔することになるお?」
(#*゚ー゚)「わ、私に何するつもり……?」
川 ゚ -゚)「出来れば、君には入りたくないんだお。
君は、唯一僕を助けようとしてくれたから」
(;*゚ー゚)「何を言ってるの……?」
川 ゚ -゚)「君だけが、僕を一度助けようとしてくれたお」
(;*゚ー゚)「だから、何の話?クー!」
川 ゚ -゚)「僕はクーじゃないお」
(;*゚ー゚)「意味分からない……。誰なのよ……?」
川 ゚
-゚)「それを聞いちゃうと、僕は君の部屋も改造しなくちゃいけなくなるんだお?」
(;*゚ー゚)「意味が分からない!あなたは誰!何をしているの!助けてよ!!」
川 ゚ -゚)「僕は、内藤ホライゾン。
みんなの心に入って、部屋を改造したんだお」
最後の質問には、答えられそうに無い。
川 ゚
-゚)「お邪魔します」
やはり、彼女の部屋も綺麗にまとまっていた。
それでいて、女の子らしさのある可愛い部屋だ。
( ^ω^)「……しぃちゃんは、出来れば傷つけたくないお」
彼女だけが、僕を助けようとした。
いじめられていた僕に、「大丈夫?」と声を掛けてくれた。
それだけで、僕の心は随分救われたのだ。
その一言に、僕は恋心を抱くほどに。
( ^ω^)「記憶だけ消して……しばらく眠ってもらうかお?」
そうしよう。
一度救ってもらった恩は、きちんと返すべきだ。
( ^ω^)「それじゃ、記憶にお邪魔するおー」
そうだ。
せっかくなら、彼女の過去を少し覗こう。
僕を助けたとき、どんな感情だったのだろうか。
( ^ω^)「何だかパンツを覗くみたいで緊張するお・・・・・・w」
彼女の過去に、手を触れる。
僕は、その中に入り込んだ。
──……・・
─……
…・・
・・
・
──お前、ブーンに優しくしろよwww
えー?どうして?アイツ今いじめてんじゃないの?
──だからぁ。そこで優しくして、一気に突き落とすわけwww
うっわーwwwフサギコちょーヒドイじゃんwwwww
──あいつのことだから、素直に「ありがとうだお!」とか言いそうwwww
きゃははwwww 何かストーカーとかされそうじゃない?
──そんときゃ俺がぶっとばす
フサギコォ〜ww
──今度俺がボコボコするから、優しく声かけてあげな
おっけー。それで突き放すんだね?
──おう!……しぃ……
もぉ……エッチなんだからぁ……
・
・・
……
─……
──……・・
( ゚ω゚)「ふぅー……ふぅー……」
抑えろ。
自分を抑えろ。
( ゚ω゚)「くそぉ……くそぉおおおおおおおおお!!!!!!」
僕は、ただ。
彼らの、思い、通りに。
( ゚ω゚)「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
彼らの、思い、通りに。
僕は何に関わらず、暴れる。
とにかく、全てを破壊する。
( ゚ω゚)「ああああああああああああああああ!!!」
全てを。
僕の周りにある全てを、破壊する。
もう全てが。
全てが、信じられない。
( ゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
──……・・
─……
・・
・
川;゚ -゚)「はぁー……はぁー……」
気付けば僕は、クーの体に戻っていた。
もう、破壊するものがないくらいに、部屋は荒らしている。
居場所が無くなった僕は、恐らく追い出されたのだろう。
川;゚
-゚)「っっ……はー……」
女の体に入った途端、息が上がった。
相当体力がないのだろう。
川;゚
-゚)「冷静な自分がムカツクお……」
クーの体に入った途端これだ。
無駄に冷静な自分がいる。
川;゚
-゚)「……しぃは……?」
(*゚△゚)「アびゃbニャややこあwkどあkどあsふぉあwjf」
彼女は、狂い叫んでいた。
何の意識もなく、ただ、そこで叫ぶだけで。
(*゚○゚)「おびょーぶぶぶぶぼー!!!」
壊れた。
僕は咄嗟にそう考えた。
全てが消えたのではなく、壊れたのだ。
(*゚△゚)「このロワj家オアwkでオアwk度sfkgきあじgじゃえいおgjしおdgjぢgj」
へらへらと笑っている。
体をくねくねさせながら、ただただ叫んでいる。
川 ゚ -゚)「……終わりだお」
教室は無残な姿になっていた。
荒れた机。
倒れこむジョルジュ。
赤ん坊になったフサギコ。
セックスをするショボンとペニサス。
そして、狂ったしぃ。
川 ゚ -゚)「……いい気味だお」
そう呟いた。
自分に言い聞かせるかのように。
川 ゚ -゚)「そろそろ、他の先生が来るお」
部屋に入ってばかりいたから、時間の感覚が分からない。
恐らく、まだこの事件がおきてから1分も経っていないだろう。
川 ゚
-゚)「……いくかお」
次はどこへ行こう。
もちろん、決まっている。
川 ゚ -゚)「最後に、君の姿を見たいんだお」
最後。
ふと、自分の口からその言葉が出た。
どうして最後?
僕はまだ、色々やれるだろうに。
川
゚ -゚)「……とりあえず、会いに行くお」
僕の大事な人。
ツン。
川 ゚ -゚)「お邪魔する」
隣の隣のクラス。
その教室に、僕はきちんとあいさつをして入った。
( ゚д゚ )「どうしたクー君?今は授業中だが」
川 ゚ -゚)「大事な人に、会いに来た」
生徒の方を見る。
誰一人違わず、僕の方を見ていた。
その中でも、僕にとっては輝いて見える人がいる。
川 ゚ -゚)「ツン、君だお」
ξ゚听)ξ 「……?」
ツンがキョトンとした顔で僕を見る。
ああ、そうか。
今の僕は、クーなんだった。
川 ゚ -゚)「ツン、君に今、好きな人はいるかお?」
教室中が静かになった。
みんなが僕とツンを交互に見ている。
ξ゚听)ξ 「え……あんた誰……?」
川 ゚ -゚)「僕だお。ツン」
ここまで言ったら、気付いてくれるお?
ねぇ、ツン。
ξ゚听)ξ 「ブーン……?」
ξ゚听)ξ 「の真似をして、何のつもり?」
川;゚ -゚)「……僕がブーンだお」
やはり、この姿では伝えるのが難しいらしい。
それに、こんなクラス全員のままでは、話し辛いだろう。
川 ゚
-゚)「ツン、ごめんだお」
ξ゚听)ξ 「何……?」
川 ゚ -゚)「ひどいようには、しないから、"入る"お?」
ξ゚听)ξ 「あなた大丈夫……?」
ごめんだお。
ツン。
川 ゚ -゚)「お邪魔します」
ツンの部屋は──やっぱり、ツンらしかった。
決して汚い訳ではないが、綺麗でもない。
ただ、妙に凝った部分があるのは確かだ。
( ^ω^)「ごめんだお、ツン。悪いことはしないお」
最も、僕を裏切るようなことがなければ。
だけど。
( ^ω^)「君は、僕の事をどう思ってるんだお?」
随分長い間、一緒にいたお。
幼稚園から、高校1年まで。
高校2年になって、初めてクラスが別れたお。
( ^ω^)「僕は、ずっと君のこと好きだったお」
君なら気付いていたよね。
同じように、僕も気付いていたよ。
君も、僕のこと好きなんだって。
僕と話している時の君の顔、すっごく綺麗だって。
知っているよ。
( ^ω^)「ねぇ、ツン」
僕は知っているよ。
君は、僕の事好きなんだ。
相思相愛って奴だよね。良かった。
( ^ω^)「ねぇ、ツン──」
僕、いじめられてたんだ。
でも、今日、お返ししたよ。
もう、僕は弱くないんだって。
( ^ω^)「ねぇ──」
──ツン、どうして君の部屋には、僕への感情が一つもないんだい?
まさか、君も僕を裏切る訳じゃないよね。
ごめんね、疑ったりして。
( ^ω^)「あ、分かったお!」
きっと、クーの姿で驚かしたから、混乱しているんだ。
部屋の中が、ちょっとごちゃごちゃなんだね。
( ^ω^)「それじゃ、僕が整理してあげるお」
大丈夫。
みんなみたいに、変な風には改造しないから。
( ^ω^)「ただ……僕への気持ち、作ってあげるお」
とっても大きく。
僕への好意を、すっごく大きく。
作って、あげるから。
──……・・
─……
…・・
・・
川 ゚ -゚)「お邪魔しました」
僕はツンの部屋から出てすぐ、教室を出た。
向う場所は、"僕"を隠した男子トイレ。
川 ゚ -゚)「……」
カギのかかった個室。
隣の部屋から上を伝って、そこに入る。
( ω)
川 ゚
-゚)「随分と長く寝てたお?僕」
意識のない僕。
いや、正しくは意識はここにあるのだけれど。
川 ゚
-゚)「もう、いじめる人はいなくなったお」
だから、安心して僕に戻れる。
川 ゚ -゚)「ツンは、僕を愛してくれてるお」
だから、安心して傍にいれる。
川 ゚ -゚)「もう、僕は弱くないんだお」
だから、安心して。
川 ゚ -゚)「……ただいま──」
───……・・
──……
─…・・
…・・
・・
・
暗闇に、僕はいる。
何も見えない、本当の闇。
ここは、どこ。
僕の心の部屋は、どうなっている?
何で何も見えない。
これじゃ、何をすることも出来ない。
そうだ。
一旦出よう。
一旦部屋を出て、クーに戻ろう。
でも……扉は、二つある。
一つは、外に出れる。
今の僕の体、クーに戻ることが出来る。
もう一つは、部屋の奥へと進む。
そして、この部屋。僕の体に入る。
どちらに入るかなんて、分からない。
真っ暗な部屋。
何も分からない。
でも、行かなきゃ。
この闇に飲み込まれる前に。
僕は
行く。
( ^ω^)「お邪魔しましたお」
・
・・
……
─……
──……
※10日後
川 ゚ -゚)「……ジョルジュ、来てたのか」
( ゚∀゚)「あいにく、遊べる友達はみんな狂っちまったもんでね」
早朝の教室。
そこに、二人の男女がいた。
川 ゚ -゚)「……どうやら、今日クラス替えのようだ。
ウチのクラスが半分以上駄目になったせいで、再編成らしい」
( ゚∀゚)「だろーな。みんな狂っちまった」
川 ゚ -゚)「ああ……」
( ゚∀゚)「腰振るわ喘ぐわ泣くわ叫ぶわ……。ショックで引きこもるわ……」
川 ゚ -゚)「一人、完全に意識が無くなったしな」
( ゚∀゚)「ほんと……何だってんだよ……」
川 ゚ -゚)「私も、気付いたら男子便所にいたしな」
( ゚∀゚)「俺だって、何か変なとこで倒れてたし」
二人は顔を見つめあい、また溜息をついた。
いくら考えても、結論には辿り着けないらしい。
ξ゚听)ξ 「……」
そこに、一人の少女が現われる。
髪が金色の、可愛らしい少女。
ξ゚听)ξ 「……ねぇ、ブーンは?」
川
゚ -゚)「隣のクラスのツンさんだったかな?今日は私達のクラス以外は休みだぞ」
ξ゚听)ξ 「ねぇ、ブーンは!?」
川 ゚
-゚)「……来ていない。来られない」
ξ゚听)ξ 「ブーン?どうしたのかな……。
私、ブーンがいないと駄目なのに……」
少女はいかにもさびしげな目で、また歩き出す。
未だに、独り言を続けて。
ξ゚听)ξ
「ブーン……愛してる。あなたがいなかったこの10日間、私死にそうだった。
お願いだから、出てきて?私にはあなたしかいないの。
何でもしてあげる。すっごい愛しているの。おねがい……」
教室から姿を消した彼女。
残された二人は、もう一度顔を見合わせて息をついた。
川 ゚ -゚)「彼女も……」
( ゚∀゚)「だな……」
それでもまだ、彼女は言葉を続ける。
彼女の心を埋め尽くす、ブーンという人物を求めて。
ξ゚听)ξ
「愛しているの。愛している。お願いだから、出てきて。ブーン……」
終